フランチャイズ研究所 黒川孝雄のブログ

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フランチャイズ時評

バックナンバー
2009年フランチャイズ業界を振り返る
転換点に立つ日本のフランチャイズ・ビジネス
民主党政権誕生とフランチャイズビジネスへの影響
「コンビニ加盟店ユニオン」は労働組合か?
日本サブウェイはどこまで伸びるか
公取委の排除命令とセブンーイレブンの対応策
法人・複数加盟社の現状とその規模の推定
飲食業のやさしい基本数字
コンビニの「値引き問題」に公取委が立ち入り調査
「フランチャイズ・ショー2009」を振り返る
明光ネットワークジャパン・渡辺弘毅社長に聞く
2009年フランチャイズ業界を展望する
2008年フランチャイズ業界を振り返る
飲食業の利益の源泉は人時売上高に有り
コンビニオーナー世論調査(2008年版)に関する考察
“ひばり”は再びさえずるか
飲食業の社員独立制度の作り方
「フランチャイズ・トラブル」を紹介する
日本マクドナルド社の方針転換「店長に残業代を支払う」の内容
店長は管理職。しかし残業手当相当分は支払わねばならない。
法人・複数フランチャイジーの将来性
「フランチャイズ・ショー2008」を振り返る
2008年フランチャイズ業界を展望する
協会設立35周年記念「パネル討論会」を紹介する

2007年フランチャイズ業界を振り返る
FC加盟の成功者を詳細分析する(その3)
FC加盟の成功者を詳細分析する(その2)
FC加盟の成功者を詳細分析する(その1)
アメリカのスーパーバイザー業務について
アメリカにはスーパーバイザーという職能名称はないか?
飲食業のスーパーバイザーに求められる役割とは何か
週末起業を考える
中国・「フランチャイズ(商業特許)経営管理条例」に関する考察
「フランチャイズ・ショー&ビジネス・エキスポ2007」を振り返る
2007年フランチャイズ業界を展望する
2006年フランチャイズ業界を振り返る
フランチャイズチェーン経営品質向上プログラムについて
スーパーバイザーの自己啓発
オートバックスセブン住野代表(CEO)に聞く
「ハーバードのフランチャイズ組織論」を紹介する
BOOK OFF 坂本代表に聞く
第2回コンビニオーナー世論調査に対する考察
加盟金を再度考える
「成功するメガフランチャイジー」を紹介する
「フランチャイズ・ショー&ビジネス・エキスポ2006」を振り返る
ロイヤルティを考える
2006年フランチャイズ業界を展望する

2005年フランチャイズ業界を振り返る
商売で大事なことは全部セブンーイレブンで学んだ
「フランチャイズ・ビジネスの実際」を読む
良いスーパーバイザーはどのように生まれるか
日本のフランチャイジー像を考える
コンビニオーナー世論調査に関する考察
中国フランチャイズ管理法に関する一考察
ライセンスビジネスを考える
「フランチャイズ・ショー&ビジネス・エキスポ2005」を振り返る
フランチャイズ・ビジネスを活性化するための提言
法定開示書面の作り方

2004年フランチャイズ業界を振り返る
フランチャイズ・ビジネスの環境整備
フランチャイズに関する文献について(2)
フランチャイズに関する文献について(1)
サークルKの今後の戦略 他
トーマス・S・ディッキー著「フランチャイジングー米国における発展過程」を読む(2)
トーマス・S・ディッキー著「フランチャイジングー米国における発展過程」を読む(1)
日本フランチャイズ・システム前史(試論)
鈴木敏文著 「商売の原点」を読む (緒方知行編)
「フランチャイズ・ショー2004」から見える動向
フランチャイジーフォーラムを考える
フランチャイズ本部に対する評価基準について

2003年
08年3月号
「フランチャイズ・ショー2008」を振り返る

1.最大級の規模で開催された  
 2008年3月11日より13日まで、東京都江東区有明の東京国際展示場「東京ビッグサイト」で、第24回「フランチャイズ・ショー2008」(主催:日本経済新聞社、特別協力:日本フランチャイズチェーン協会)が開催された。
 今年のフランチャイズチェーン出展社はフードサービス業50社(前年比9社増)、小売業17社(前年比7社減)、サービス業42社(前年比4社減)で合計109社であり、前年比2社減である。
 出展社は若干減少したが、1社当たりの小間数が増加して、会場は賑わった。  更にビジネスパートナー募集19社(前年比3社増)、フランチャイズ支援ビジネス12社(前年比4社減)、フードサービス開業支援サービス6社(前年比3社減)、フランチャイズ無料相談・出版社12社(前年比1社増)を合計すると158社で、前年比5社減であるが、出展小間数は360小間であり、昨年より若干減少したが、西3ホール、西4ホール全体を借り切る盛会となった。
 今年は、例年と違いJAPAN SHOP等の同時開催ではなく、「フランチャイズ・ショー」の単独開催であり、それだけフランチャイズ・ショーの集客力が試される年であった。3日間の入場者数は25,330人となり、昨年より若干減少したが、単独開催であるだけに、来場された方は目的を持って来場され、ついでに立ち寄るという来場者は無かったため、出展社にとっては中身の濃い内容であり、いずれのブースも加盟希望者の目標が明確であったとする意見が多かった。昨年と異なり、20小間を借り切るような大手の出展や、ネットカフェ大手の揃い踏みがなくなったが、フードコートも4面も作られ、フードサービス業が華やかに出展した。
 例年同様、日本フランチャイズチェーン協会の正会員の出展は少なく、ベンチャー的なフランチャイズ本部や、フランチャイズ関連ビジネスの出展が目立った。また、新規出展社が多く、継続的出展社が昨年同様少ないことが目立つ年でもあった。

2. フードサービス業  
 出展社50社(うちフードコート12社)のうち、新規出展社が実に26社に登った。新規出展社ではないが、10数年振りの出展社も何社か見かけた。サービス業同様新陳代謝の激しい業界である。
 ラーメン7社は昨年比1社減であるが、業種としては最大の出展社数であり、フードコートにも3社出展である。ラーメンは日本人の国民食と言われるが、さすがに毎年の出展社が多い。続いて多いのはお好み焼・たこ焼きの6社であり、うち4社が新規出展である。「粉もん」と呼ばれ、日本人には古くから親しまれた味であるが、それぞれ味の特徴や、立地の特徴を持つチェーンである。 続いて多いのは宅配、持ち帰り弁当・ピザの5社であり、うち1社が新規出展である。
 フードサービス業の最大の話題は、フードコート4面、合計12社の出展であり、今年のフランチャイズ・ショーの華である。うち4社が新規出展であり、大型コーナーの少ない今年のフランチャイズ・ショーの最大の見せ場であった。フードコートの味にほれ込んで、新規加盟した加盟店もある程である。しかし、ガス・水の供給力の限界に近づいており、フードコートを更に増加することは困難な模様である。
 昨年8小間を取って、フードサービス業最大の小間数を誇ったレインズ・インターナショナルは、今年は未出展であり、僅かにベンチャーリンクの加盟店開発代理店の中に「しゃぶしゃぶ温野菜」の名称が残っていた。
 3年前にブームを呼んだライセンスビジネスは、今年はグッドブレインの「赤から」1社であった。継続的指導を伴わないライセンスビジネスは、所詮日本への定着は難しそうである。

3. 小売業  
 小売業は17社であり、昨年と比較して7社減である。新規出展は8社である。循環型ビジネスモデルである、リサイクル関連本部が5社出展であり、昨年比2社減である。釣具、ゴルフ、中古本等と分野は広い。
 リサイクルビジネスは会員制をとっており、売り手が同時に買い手になるワン・ツー・ワン・マーケティングの仕組みが出来上がっている。会員登録により、究極の販売促進が出来る仕組みであり、IT技術の発達がリサイクルビジネスの基幹をなしている。
 アクアクララが飲用水販売で、小売業の部門に出ていたが、フランチャイズとしては「プロダクト・フランチャイズ」に区分される分野であり、日本では通常フランチャイズとは呼ばないが、目新しさは宅配業であり、そこを評価して、フランチャイズ部門に入れたのであろう。ダイオーズも事業所への飲用水の販売で、サービス業の分野で出展している。だから、飲用水の小売業と言うよりも、宅配、事業所配達のサービス業として理解したほうが、フランチャイズの区分には、なじむであろう。
 珍しい業態として事務用品小売業のオフィス・デポが新規出展していた。元来事務用品類は文房具屋として確立された業態であったが、ここ10年程の間に、ネット乃至はカタログ販売の文具配達業に圧倒され、文房具屋という業態がかすんでしまった感がある。しかし、文房具は本来、手で触り、目で見て楽しんで買うのが常識であったが、いつの間にか、通販業に圧倒される結果となってしまった。今回、オフィス・デポとして小売業の分野でフランチャイズ化を進める動きには、楽しみを感じる。是非、他の文房具店もフランチャイズ化に名乗り上げてもらいたい。なお、フランチャイズ小売店と同時に、近隣企業への訪問販売やカタログ販売は、別途代理店契約の締結を求めている点は特筆すべきである。WEB上のネット販売はフランチャイズ契約で禁止されている点も特記事項である。
 コンビニエンス・ストアでは唯一「ファミリーマート」が1社出展していた。4小間出展で、入り口近くの好立地を占めていた。昨年は移動研修車「SQC号」を展示していたが、今年はそれほど話題を呼ぶような内容ではなかった。しかし、会社案内書には、複数店奨励金制度を開示していた。従来から、ファミリーマートは複数出店社には、インセンティブを支払うことは知られていたが、今回のフランチャイズ・ショーへの出展に際し、このインセンティブを公開した点が最大の呼び物である。ちなみに、1FC−C(加盟者は契約金と内装工事費を負担する形態で、通常1500万円程度の初期費用が必要と言われている)の形態で、販売奨励金は次の数字が開示されていた。(勿論ここに提示していない1FC−A、1FC−Bには、更に手厚い奨励金が決められている)

店舗数 2店舗〜4店舗 5店舗〜9店舗 10店舗以上
販売奨励金
1FC−C
営業総利益の
1%〜5%
営業総利益の
3%〜5%
営業総利益の5%
特記事項 1FC2店舗目以降の
全店が対象となる。
1FC5店舗以上、
1店舗目を含めた
全店対象
1FC10店舗以上、
1店舗目を含めた
全店対象

 かねて、大手コンビニの中で唯一「ファミリーマート」が、このフランチャイズ・ショーに出展を続けるのは、多分、法人の複数出店に一番意欲的であり、02年4月に新たに1FC−Cという契約形態を打ち出したことが原因であろうと推測していたが、今回の販売奨励金の開示により、ファミリーマートの出展意図が明確になった。現在、フランチャイズ業界では個人フランチャイジーの減少が話題になることが多いが、ファミリーマートは6年前に、それを予想して、法人のフランチャイジー化、多数店舗政策を採用することにより、店舗数の増加を図ってきたのである。筆者の加盟店聞き取り調査によれば、ファミリーマートの複数出店者の数は増加して、中には10店舗以上の店舗数を有するメガフランチャイジーも多数存在するそうである。
 家電量販店のベスト電器のフランチャイズ・ショー出展は、10数年振りであり、かって80年代に家電量販店が日本フランチャイズチェーン協会の正会員であった時代を思い起こした。
 タカヨシが経営する「農家の八百屋さん わくわく広場」は、農産物の産直販売であり、店舗数は約50店舗となり、公開されている標準店モデル採算によれば1店舗の年商1.5億円であるので、システムワイド(全店舗)売上高は75億円程度と推計できる。かなり大きなフランチャイズに成長しているようだ。中国産ぎょうざの農薬混入が大問題になり、冷凍食品業界が壊滅的打撃を受けているが、国産農産物の生産者が「最大の支援は、国産農産物を買って下さること」とテレビで発言していたことを思い出した。この「わくわく広場」が全国的に広がれば、国産農産物の直売チェーンが出現することになる。

4. サービス業  
 サービス業の出展社は42社であり、前年比4社減である。42社中、新規出展が21社にのぼり、約半数が昨年と入れ替わりである。新旧交代の激しい業界である。
 サービス業、フードサービス業の新旧交代が激しいが、このショーに出展する以上、少なくとも3年間は連続出展しないと、殆ど意味がない。結局、出展しても効果がない(加盟店獲得が出来ない)ため、次年度の出展を見送るのであろうが、フランチャイズ・ショーに出展すれば加盟店が確保できるほど甘い状況ではない。最低、3年間の連続出展の見込みがなければ、出展は見合わせた方が良い。
 かって、カレーのココ壱番屋が80年代から90年代に掛けて、10年連続出展したことがある。既に、社内では従業員独立制度であるブルームシステムが出来ていたが、ココ壱番屋としては、外部にも新規加盟店を求めていたのであろう。結局、10年連続出展して、外部加盟店の展開は難しいと判断して、ブルームシステム一本に絞った経緯がある。この息の長さを見習ってもらいたい。ブルームシステムによって1千店を超える1大チェーンとなったが、そこに到達するまでに、フランチャイズ・ショーに10年も連続して出展して、結論を出した息の長さがあった。
 最大の出展社数を誇る業態は学習塾・各種学校であり、14社にのぼる。うち学習塾は11社に達する。昨年8社であったので、3社増である。個別指導塾の第1位明光義塾、第3位のスクールIEが揃って出展している。第2位のジー・エデュケーションは、もはや加盟店は募集せず、既存加盟店の複数出店で目的が達成できる見込みであるそうだ。それにしても、11社参加は過去最多である。「教育の再生」が大きな政治課題になる時代背景があるからであろう。塾は、学校教育の補完施設ではなく、公教育が失った機能まで求められている。 個別学習塾は前年比3%成長と言われているが、上位校にシェアが集中してきているように思われるが、実態はどうであろうか。教室数の増加は知名度の上昇と、教育ノウハウの蓄積となり、一段と格差が広がるのであろうか。
 続いて多いのはエステ・フィットネスで、6社出展で昨年より1社多い。美容・健康という人類永遠の願望は、何時の時代でもニーズは高いのであろう。
 一方、複合カフェは昨年6社出展で華やかな展開を見せたが、今年は3社に止まった。新規に出展した福岡のサイバックは、九州ではナンバーワンのシェアを誇り、「撤退店0」が売り物である。最近のフランチャイズチェーンの撤退店比率が増加傾向にあることは、サイト「ザ・フランチャイズ」を調査しても明らかであるが、加盟者は店舗増加率よりも、閉鎖店舗率の低さを選ぶ必要があると思う。複合カフェの伸び率が05年度は59.6%と、サービス業最大の伸びを示したが、06年度の伸び率は15.3%であり、伸びてはいるが、急進の時代は終わったのが、出展社の減少になったのであろう。
 今年は、介護、福祉関係が1社も出展が無かったことは、介護保険の制約で、介護、福祉ビジネスの利益性が低い点と、人材確保が難しいことが理由であろう。むしろ、介護保険と無関係な分野で、介護、福祉のフランチャイズ化を進める本部が現れることが期待される。

5. セミナー  
 フランチャイズ・ショーのセミナーも見逃せない重要なものである。今年のセミナーはオープニングセッション(無料)、フランチャイズ本部・新規ビジネス立上げセミナー3本(会費1万円)、特別セミナー(無料)、フランチャイズ加盟希望者向けセミナー12本(無料)の4本立てであった。
 まず、オープニングセッションは、(社)日本フランチャイズチェーン協会の海江田専務理事の挨拶、筆者の「フランチャイズ業界の最新動向」に始まり、物語コーポレーション小林社長の「FCビジネスと業態開発」が話された。小林社長は、本心はフランチャイズ展開をしたいと思いながら、日本のFCは「なんとなくうさん臭い業態ではないか」と思い、13年前に焼肉ビジネスに直営で参入した。自分では「清く正しいFC業をやりたい」と思ったら、たまたま食材の納入業者からフランチャイジーになりたいとの申し出でがあった。サプライヤーだから納入価格は判っているので、この会社ならば、理想のFCが出来ると思ったそうだ。フランチャイズのあるべき姿は次の4点につきる。
@ 加盟店に利益がでる。(儲かる) A徹底した情報の開示
B加盟店の教育・指導ができる。  C素早いレスポンス
フランチャイジーからはクレームが多い。山ほどのクレームが来る。クレームの半分は正しい。直営店経営ではクレームは上がってこない。フランチャイズ展開なしでは、業態のブラッシュアップ、業態開発はできないと思っている。
 BSEが発生する前に、物語は唯一のBSE対策を考えていたチェーンである。それは、加盟店から「もしBSEが発生したらどうするか」という質問があったからである。
  物語は業態開発が得意な会社と言われている。成功する原理原則は次の4点に尽きる。
(1) 保守的・安定的マーケットで差別化する。
 外食市場は縮小している。フードビジネスは保守的で安定的なマーケットである。誰もが知っている、昔からあるマーケットしか狙わない。業種ではなく、業態で稼ぐ。競合は沢山あるが、差別化すればお客は取れる。
(2) 郊外型の中型、大型店を作る
 ビジネスは最初から売上高を大きく取らなければならない。全部借入金であるから、早期に大きな売上高を作らねばならない。郊外大型店だったら、最初から目立つ。寿命は長い方が良い。ファミリー層だと寿命が長くなる。労務費の管理が重要であり、小型店では非常に難しい。大型店ならば労務管理ができ、変化対応、差別化がし易い。
(3)多利用動機
 お客は店舗に入らなくても、勝手に「うまいか、まずいか」「価格はいくらか」「接客は良いか」を判断する。立地、規模、外観で判断する。 そのためには、外装をどう作るかが一番重要である。オピニオンリーダーを納得させる外装が必要である。
(4)業態を変化させる
 繁盛店を作っても永続きしない。高島陽先生から、次の顧客層を学んだ。
@スインガー   一番最初に流行をキャッチする層 
Aインノベーター この層の動きが重要。世の中のトレンドがわかる。
Bモデレーター  普通の人
C遅滞者     流行遅れの人  この2層が95%を占める。
 インノベーターに気に入ってもらわなければならない。しかし、繁盛店を作ると陳腐化する。ビジネスを始めたら、早い段階で駄目になる。下から上へ切り上げる努力が必要である。(遅滞者、モデレーターから上のインノベーターへ戻す)業態はサインと看板のカラーコントロール、照明コントロールのみで変えることが出来る。
 業態開発の要領を、わずか40分で全員に納得させる魅力ある講演であった。
続いて、急成長を誇るB−Rサーティワンアイスクリーム尾崎仙次社長の「わが社の歴史と展望」と題する講演が行われた。尾崎社長は、松山社長の後任として、新しく社長に就任されたが、業績は好調であり、昨年末で882店となり、いよいよ千店が見えてきた。千店を超えるファストフード店はわが国ではマック、モス、KFC、ミスタードーナツ等で、決して多くない。
 アメリカと日本の歴史を語り、日本では1974(昭和49)年にBRジャパン社が設立された。店舗数、売上高は順調に増加し、80年代にはハーゲンダッツが日本に上陸して、アイスクリームブームが続いた。しかし、バブル崩壊後店舗数、売上高は減少した。95年に事業構造改革がスタートし、96年にB−R評議会(後のサーティワンオーナー会)がスタート。2000年1月に新ビジネスモデルを発表して、プロジェクトXをスタートさせた。その内容は次のようなものであった。
@アイスクリーム卸価格の大幅な引き下げ
Aロイヤルティと広告宣伝費の加盟店負担(結局加盟店は4%の利益増となる)
B新デザイン店舗の発表
C再トレーニングプログラム設定
2000年以降はV字回復を遂げた。「落ちかけたブランドが回復するのは飲食業界の奇跡」と言われた。
2005年から小売市場の変化、広告の活発化により、優れたFCパッケージに変化させた。
@小スペース、小資本で開業できる
Aシンプルオペレーション
B強力な本部サポート
サーティワンアイスクリームの日米に於ける歴史と、日本サーティワンアイスクリームの奇跡の回復を淡々と話された。
 3月12日「特別セミナー」の「法人・複数フランチャイジーの戦略に学ぶ」のパネルディスカッションが面白かった。
司会  杉本 収氏(中小企業診断協会・東京支部副支部長)
パネリスト
    加邊文彦氏(ラーメンチェーン3店舗、オリジナル居酒屋2店舗)
    林 善暢士(大手コンビニエンスストア2店舗)
    平井克彦氏(大手コンビニエンスストア5店舗、和菓子1店舗、オリジナル居酒屋2店舗)
1時間半に亘るパネルディスカッションの結論部分をまとめれば、次のようになるであろう。
@1号店を軌道に乗せる。基幹店舗として育成する。そこで人材育成もする。
AFCはリスクが少ない。スピードが速い。投下資金も少ない。
Bオリジナルブランドは自由度が高い。個人経営の面白さ、醍醐味が味わえる。
C1店舗目と2店舗以降は、経営の思想が違う。2店舗目以降は、他人を通して経営理念を共有する必要がある。
最後に、会場から多数の質問が出たが、時間の関係で3名に絞って応えた。
質問 2号店がうまくいかない理由
   労務管理はどのようにすれば良いか
    コンビニを6店舗経営しているが、資金繰りで行き詰ることがある。どのような裏技経営手法があるのか。
 毎年、中小企業診断協会東京支部フランチャイズ研究会(西野公晴会長)の会員による「フランチャイズ加盟希望者向けセミナー」(無料)が行われるが、今年は、特に次の2本が優れていた。一つは石川和夫氏の「加盟前から知っておくパート・アルバイトの採用難・定着時代への備え方」であり、申込者が多すぎて入場できない人が出たほどである。内容は、パート・アルバイト(以下P/A)の採用方法というよりも、如何にP/Aを育成し、定着させ、無駄な採用コストを掛けずに済むかというノウハウを、本人の豊富なビジネス経験と理論を基礎に構築されたものであり、フランチャイジー対象というよりも、もっと幅広い中小企業経営者に聞いてもらいたい内容であった。東京商工会議所など、幅広い舞台での活躍が期待される。次に坂元良暢氏の「加盟希望者にもできるフランチャイズ本部評価方法」であり、過去4年間に亘って研究した本部評価のアマチュア版を公開したものである。誰でも入手できる情報収集方法で大項目6項目、小項目24項目に絞り評価する。採点方法は各1〜4点で評価し、大項目をレーダーチャートで図示して、ビジュアルに表現し、各本部の強み、弱みが一覧できる工夫がしてある。
 この無料セミナーは、年々改善され、現在では日本で最も完成されたセミナーであり、毎年受講者も多い。3日間連続で行われ各セミナーとも満員状態であった。
 このセミナーを見逃した加盟希望者は、4月12日(土)午後1時より中小企業診断協会東京支部フランチャイズ研究会(西野公晴会長)が銀座でオープンセミナーを開催し、「フランチャイズ本部評価法」等の講演もあるので、本部及び加盟店希望者は是非聞いてもらいたい。(詳細はフランチャイズ研究回のHPを参照)

6. 参加企業と主催者への提案  
 最後に参加企業と主催者に次の提案をしたい。
@フランチャイズ・ショーへの参加は、長期展望に立って
 既に述べたが、1年という短期スパンでフランチャイズ・ショーに参加することは望ましくない。ココ壱番屋の10年スパンは無理にしても、せめて3〜5年の中期展望の中で、採算を計算しないと、フランチャイズ・ショーへの出展が無駄金になる恐れがある。ある程度の力量を蓄えてから、出展することをお勧めする。
A集客は大きな小間でないと難しい
 1〜2小間では集客は難しい。せめて3〜4小間の出展が必要である。そのためにも会社としての力量を蓄えることが必要である。その上で、是非教室方式を採用することをお勧めする。
 今年は、FTC、レストランエクスプレス、物語コーポレーション等で教室方式を採用し、1時間毎に説明会を行い、その後に商談に持ち込む方法である。今年は、物語コーポレーションが一番集客していた模様であったが、商談ベースでも良い結果が出たようである。この手法は元来、ストロベリーコーンズが開発した手法であり、かねて注目していたが、今年はその効果が確認できたので、大型出展する場合に是非検討してもらいたい。
B事業説明会への案内
 フランチャイズ・ショーの場で直ちに契約に至ることは絶無である。一番良い方法は、このショーは事業説明会へ顧客を呼び込む場として捕らえ、会社資料の中に「事業説明会案内書」を同封するか、面談の際に、事業説明会への参加申込書を書いてもらうことである。事業説明会を開催しない、フランチャイズ・ショー参加は殆ど効果が無いことを確認したい。今年の筆者によるチェックでは、事業説明会の案内書が封入されていたのは、参加社の半数にも満たない状態であった。
C主催者へのお願い
 今年は、出展社の数は減少しているが、1社毎のブースが広がり、予定通り10月末で満杯になったと聞いている。今年は、フードコートが充実し、その周りの出展社は大いに潤ったが、そこから離れた出展社が割りを食い、訪問者が少ないという実情が見られた。マグネットのような仕掛けを随所に作る工夫がされると、参加社の公平が図られるので、是非来年はそのような工夫をしてもらいたい。しかし、フランチャイズ・ショーの単独開催で昨年の80%以上の集客が出来たことは、素晴らしい出来であり、一段と工夫を凝らして、出展社にも、来場者にも満足してもらえるように努力をしていただきたい。

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