フランチャイズ時評バックナンバー

黒川孝雄の美

中国フランチャイズ管理法に関する一考察 

 フランチャイズエイジ5月号に特報として「中国のフランチャイズ管理法」の全文の訳文が記載された。従来、情報開示について中国語の原文を入手していたが、全文の日本語訳であるだけに非常に有用である。この翻訳文は日本貿易振興機構(ジェトロ)・北京代表センターにて翻訳されたものが、ジェトロの好意で許可を得て掲載した旨の文章が、編集部よりのお知らせとして後記されている。
 一国の法律について、素人が意見を述べるのも如何かと思われるが、いずれ専門家の意見が発表されるまで、日本の法律との比較の中で、一つの意見として述べてみる。
 まず、フランチャイズに関するすべての問題点を体系化して一つの法律にまとめる制定法は「世界のどこの国でも、存在しない」と川越弁護士は著作の中で述べられている。(「フランチャイズシステムの法理論」62ページ)
 川越先生のご意見によれば「せいぜい、フランチャイジングに関する特殊な問題を取り上げて法規制する特別法があるだけである」そうだ。
 今回の中国のフランチャイズ管理法は、その意味では世界でも稀に見るフランチャイズ法と考えて良いであろう。
 全編は第1章から第9章で成り立っており、法文としては42条である。

第1章 総  則

 第1条から第6条で成り立っている。
第2条ではフランチャイズを法律で定義している。これを細分化してみると、次のように分解できる。
 フランチャイズとは、①契約の締結により、②フランチャイザーが他人の使用を許諾する権利を有する登録商標、商号、③経営形態などの経営資源の使用をフランチャイジーに許可し、④フランチャイジーは契約に基づき、統一的なフランチャイズ・システムの下で経営活動に従事し、⑤フランチャイザーにフランチャイズ費用を支払うビジネスである。
 この定義は日本フランチャイズチェーン協会(以下JFA)の定義と大きな差はないと思うが、JFAは③経営のノウハウという用語を用いている。またJFAでは、両者間の継続性を重視しているが、中国法では、必ずしも継続性という用語は用いていない。
 また第5条で「フランチャイザーはフランチャイズの名目を利用し、違法にマルチ商法を行ってはならない」と規制しているのも特徴である。
 第6条はいかにも共産主義国家の法律を表している。「商務部は全国のフランチャイザーのフランチャイズ活動を監督管理し、各レベルの商務主管部門が管轄域内のフランチャイズ活動を監督管理する」と定められている。
 日本では、「フランチャイズを開始した」と言えば、法定開示書面作成の義務はあるが、監督官庁(さしづめ経済産業省か中小企業庁)への届け出も不要であるし、監督管理下に入ることもない。
 やはり商業活動としては、かなり窮屈な感じはする。

第2章 フランチャイズ当事者

 第7条から第12条までの6条であり、極めて特異な規定を置いている。
第7条は、「フランチャイザーは下記資格要件を具備しなければならない」として6項目に亘って規制している。この項目に違反した場合は、是正命令と罰金が課されることが第8章で定められている。
例えば(2)「他人に使用許諾できる商標、商号と経営モデル等の経営資源を有すること」と定めているが、誰がその経営資源の有用性を判断するのか、不明である。第6条からして、当然商務部か、各レベルの商務主管部門が該当する筈であるが、果たして商務部に判断能力があるのかどうか、それをどのように証明するのかが不明である。それだけに恐ろしい。
 同様に(3)「フランチャイジーに長期の経営指導及び教育訓練サービスを提供する能力を有すること」という定めも誰が、どのように判断するのかが不明である。是正命令と罰金が付いてくるので、慎重な対応が必要である。
 現に日本でも、フランチャイジーの教育訓練については、3日間から3ケ月間までの格差があり、かつ長ければ良いというものでもない。まして能力判断であるから、主観的な判断な入り込む恐れは大きい。
(4)は特異的な要件である。「中国域内に1年以上経営をしている直営店又はその子会社若しくは持株会社が設置した直営店を最低2店舗以上有すること」
筆者は世界的なフランチャイズの規範として、3店舗2年以上の直営店の経営が必要であることを繰り返し述べているが、中国のフランチャイズ管理法は2店舗1年以上の直営店の経営をフランチャイザーの資格要件としており、是正命令と罰金という法律責任を課している点が特徴である。
即ち、倫理規範ではなく、法律としての資格要件であり、これを欠く場合は処罰の対象となるのである。
また(6)「信用に優れ、フランチャイズ方式で詐欺行為をした記録がないこと」を用件としている。実は2002年の中小小売商業振興法の改定及び独占禁止法のガイドラインを制定する時に、パブリック・コメントを求めた。筆者は代表者の過去の犯罪暦を明示することを求めたが、残念ながら受け入れられなかった。今回の中国の法律を見ていると「代表者の過去の犯罪暦、又はフランチャイズに関する詐欺行為の記録」が必要な開示事項であることが判る。
第8条はフランチャイジーの資格要件を定めたものである。(2)では「フランチャイズの適した資金、経営拠点、人員等を有すること」と定めている。
およそ、フランチャイズ契約を締結する段階では資金、拠点を定めるのは常識であるが、人員(パート・アルバイトを含めて)を完全に用意している事例は少ないのではないか。店舗建設や店長研修の傍ら、P/Aの募集、採用をしているのが日本の実態であるだろう。「資金、経営拠点、人員等を有すること」が是正命令と罰金付きで強制されることは、やはり日本の感覚とは合わない。
第9条ではフランチャイザーの権利、第10条ではフランチャイザーの義務を明記している。第11条ではフランチャイジーの権利、第12条ではフランチャイジーの義務を定めている。第12条の(3)では、次のように定めている。「フランチャイザーの指導及び監督を受け入れること」この条文自体は当然のことであり、何の反対意見も無いが、これが法律として強制されることに違和感を感じる。 

第3章 フランチャイズ契約

 先進国ではフランチャイズ契約の内容は当事者の話し合いによって決まる。中国フランチャイズ管理法では、フランチャイズ契約の内容にまで立ち至って定めているのが異常である。
 第13条は、フランチャイズ契約の内容は当事者によって決められるとして、「通常下記の内容を含む」として例示的に14項目を例記している。このような規定の仕方は、かってフランチャイズ協会が創業時に「フランチャイズ契約書の指針」を作成した程度の意味であろう。啓蒙的意義と解したい。
 第14条のフランチャイズ料はフランチャイジーがフランチャイズ権を取得するために支払う対価であるとして、具体的に3項目を定めている。
(1)「加盟金:フランチャイジーがフランチャイズ権を取得するためにフランチャイザーに支払う一時金」
(2)「ロイヤルティ:フランチャイジーがフランチャイズ権を行使する過程で一定の基準または比率でフランチャイザーに定期的に支払う費用」
 日本でもフランチャイズ創業時の1970年代には、加盟金、ロイヤルティの説明と徴収には苦労したものである。中国のように国家権力が加盟金とロイヤルティの支払い義務を説いてくれるのは有り難いが、違和感は残る。ロイヤルティの徴収については今でも加盟店からの抵抗はある。例えば牛角食堂をライセンスビジネスとして展開するレインズインターナショナルの大内社長は、「経験豊富な牛角の加盟店からロイヤルティは払いたくないという意見が今でも出る」と述べられて、ライセンスビジネスを展開する理由としている。中国の法律化を日本のフランチャイズ業界は笑えるレベルではない。
(3)「その他の約定した費用:フランチャイジーが契約によりフランチャイザーからの商品またはサービスの供給を受ける代わりにフランチャイザーに支払うその他の費用」
第14条では、フランチャイズ当事者は公平合理原則に基づいてフランチャイズ料と保証金の金額を協議して決めなければならないと定めているが、日本の実態はフランチャイザーが定めて、それを受け入れる者のみがフランチャイジーとなり、実質的に協議の余地はない。多分、フランチャイズの性格からして中国での実態は日本と同じことになるだろう。
 第15条は契約期間を定めた条項であるが、「フランチャイズ契約の期間は通常3年以上とする」と法文化している。3年以上に異議はないが、何故3年以上と定めたのか、通常とあるのは例外もまたあるのか等様々な疑問が生じる。
 第16条は「フランチャイズ契約終了後、フランチャイザーの許可なくしてフランチャイジーは、フランチャイザーの登録商標、商号またはその他の標識等の使用を継続してはならない」と商標等の契約終了後の処置について定めている。妥当な規定である。

第4章  情報開示

 先進国では、通常この情報開示のみを法律で規制して、その他の条項は両者の協議に任せるが、中国では次のように定めている。
 第17条「フランチャイザー及びフランチャイジーは、フランチャイズ契約の締結前及びフランチャイズ中、適時に関係情報を開示しなければならない」と定めている。情報開示をフランチャイザーのみに課するのではなく、フランチャイジー側にも課しているのが特徴である。
 第18条「フランチャイザーは、フランチャイズ契約の正式締結日の20日前までに、書面により申込者に真実で正確なフランチャイズに関する基本情報資料とフランチャイズ契約書を提供しなければならない」と定めている。
 日本では、この種の法定事項はない。JFAが自主基準として、フランチャイズ契約締結の7日前までにフランチャイズ契約書を加盟希望者に提示して、その期間を熟考期間と定めている。
 法定開示書面については、中小小売商業振興法により「あらかじめ、加盟希望者に対し、開示事項を記載した書面を交付し、その記載事項について説明をしなければならない」と定めているのみで、法定開示書面の交付・説明の時期は「あらかじめ」と定めるのみで、何日前との規定は置いていない。最近、開示書面を交付・説明する時期が遅れていく傾向がある。財務諸表や訴訟件数を明示することに対して、開示を遅らせる動きがあることにはやや不安を感じている時だけに、契約締結の20日前は納得性があると言えよう。
第19条は基本情報資料については定める。日本の法定開示事項に該当する部分である。日本の開示事項と似ている部分も多いが、オープンアカウント等コンビニ会計独自の規定はない。また、法文の規定は日本の方がはるかにキメ細かく定めている。特徴的な規定を抜き出してみると、次のような規定である。
(2)前略「フランチャイズ契約を解除したフランチャイジーの数がフランチャイジー総数において占める比率」
 日本では過去3年に遡って、新規に事業開始した加盟者の店舗数、各事業年度内に解除された契約に関わる加盟者の店舗数、各事業年度に更新された契約に関わる加盟店の店舗数、及び更新されなかった契約に係る加盟者の店舗数を開示することになっているが、中国では3年間ではなく、事業開始以来契約解除したフランチャイジーの数がフランチャイジー総数に占める比率のみを開示することになっている。ある意味では中国の比率規定の方がフランチャイズ企業の実態を表す可能性が高いことも考えられる。
(7)「フランチャイジーに教育訓練、指導を提供する能力の証明及び提供する教育訓練と指導の実施状況」と定められている。「能力の証明」はかなり難しいことである。誰がどのように能力を示し、誰がそれを判断するのか等不明な部分が多い。
 日本の法定開示事項は「経営の指導に関する事項」として、次の3項目を示すように求めている。
①加盟に際しての研修指導の有無
②加盟に際して行われる研修の内容
③加盟店に対する継続的指導の方法およびその実施回数
 日本の方がはるかにすっきりしており、特別の判断がなくても記入できる内容である。やはりフランチャイズの歴史と熟練度の差を感ずる。
(8)「法定代表者及びその他の主要な責任者の基本状況及び刑事処罰暦の有無、当該個人の責任で企業を倒産に追込んだ経歴の有無」
 やはり代表者の過去の経歴や、倒産歴は日本でも入れるべきであったと思う。「FRANJA」5月号で報道されている調剤薬局の記事を読んでも、創業者の経歴がフランチャイズ加盟者の選択には欠かせない資料であることが判る。
 第20条はフランチャイジーの責務を定めている。「フランチャイジーはフランチャイザーからの要求に従い、自分の経営能力に関する資料を提供しなければならない。この中には資格証明書、資金信用証明書、財産証明書等が含まれる。フランチャイズ中は、フランチャイザーからの要求に従い適時に運営状況に関する正確な資料等契約で約定したものを提供しなければならない」
 経営能力に関する資料がもし加盟前にあるならば、本部としても是非入手したいものであるが、どうも内容は資金の証明、財産目録等で能力の証明になるものではなさそうである。
 また、経営に関する資料提供は契約書で約定すれば、それだけで法規範となるが、中国では更に法律で担保しなければ契約は守られないのであろうか。両国の規範意識の差であり、更に言うならば、法治国家と人冶国家の差であろう。

第5章 広告宣伝

 広告宣伝を法律の中に含めるのは違和感があるが、内容は倫理規定的なものであり、先進国ならば倫理綱領なり契約指針として自主的に規制すべき事項である。
 第23条「フランチャイザーがフランチャイズ権の宣伝、販売促進及び販売する際の広告宣伝の内容は、正確、真実、合法的なものでなければならず、いかなる詐欺行為、重要事項の遺漏、又は誤解を招く叙述があってはならない」
 いずれももっともなものであり、内容には異論はない。
 第24条「フランチャイザーとフランチャイジーがその広告宣伝に用いる資料の中において直接又は間接に言及したフランチャイザーの収入又は収益についての記録、数字その他の関連情報は真実でなければならない。上記情報に関する地域及び時期は明確なものでなければならない」
 この条文は、売上高予測、収益予測を規定するものでは無いが、しばしばフランチャイザーがモデル採算として公表する店舗採算に対する注意であり、「記録、数字は真実でなければならない」という規定は日本でも有用である。モデル採算表が現実の直営店の数字か、平均値か、最大値か判断に迷う事例が多すぎるので、法規制はともかく、JFAの広告指針として採用する価値はある。また、数値の公表は「地域及び時期は明確なものでなければならない」とする条文も妥当な表現である。また、フランチャイザーのみならず、フランチャイジーにも広告宣伝の数字の真実性を求めているのは、フランチャイジーがフランチャイザーに加担して過剰な収入、収益を上げたように広告することを禁じたものであろうか。
 第25条は「他人の商標、標識を模倣してはならない」とする規定である。
 第26条「フランチャイズの広告活動において、フランチャイザーはフランチャイズがもたらす利益を故意に誇大に宣伝し、又はフランチャイズに客観的に出現しうる他人の利益への影響を故意に隠してはならない」
 前半部分は、フランチャイジーの利益を故意に誇大に宣伝してはならないとする規定である。故意、誇大をもっと具体的に規定しないと拡大解釈の恐れがある。後半部分の意味は理解できない。

第6章 監督管理

 この章は5条より成り立っているが、極めて共産主義国家中国の特徴を表しているように思う。
 第27条「各レベルの商務主管部門は当該行政地域内のフランチャイズ活動に対する管理と調整を強化し、地元の業界組織(商工会)の事業展開を指導しなければならない。各レベルの商務主管部門はフランチャイザーとフランチャイジーに関する信用記録を作成し、速やかに規則に違反した企業の名簿を公表しなければならない」
 さしずめ、日本ならば経済産業省の出先機関が、地域内のフランチャイズ活動を管理、調整して、地元の商工会に指導を義務付けているような規定であり、「官から民」への移管を目指す日本には、時代錯誤の規定に写るが、近代化を急ぐ中国では、現実的な施策であろう。また後半の出先機関が信用記録を作成し、違反企業の名簿を公表する制度である。
 日本では、法定開示書面を作成しなかったり、虚偽の開示書面を作成したり、交付・説明を怠った企業は主務大臣が社名公表を定めているが、まだ一度も公表されたことはない。法定開示書面を作成しない事例があまりにも多いので、一罰百戒の意味で公表されることがあっても良いのではないか。
 第28条「フランチャイズ協会(商工会)は本弁法に基づいて業界規範を作成し、自立活動を展開し、フランチャイズ当事者に関連サービスの提供に努め、業界の発展を促進しなければならない」
 正に共産主義国家に相応しい規定であり、フランチャイズ協会に対して業界規範を作成することを強要している。倫理綱領、倫理規定というものは先進国では協会自らが自己規制するために策定するものである。我が国でも協会が
1972年2月に設立され、その年の11月の臨時総会で倫理綱領を定め、協会員は元より、フランチャイズ業界に携わる者はすべて綱領に従うことを求めた自主規範である。これは日本のみならず、アメリカ、カナダ、EU等先進国はすべて自主規範であり、国家権力が介入して業界規範の作成を義務付けるのはいまだ見たことがない。更に、法律でフランチャイズ協会に対して、自立活動の展開を求めている。中国のフランチャイズは所詮その程度の発展過程にあることが判る。
 第29条は「フランチャイザーは毎年1月に前年度のフランチャイズ契約の締結状況を所在地の商務主管部とフランチャイジーの属する商務主管部門に届け出なければならない」
 フランチャイズ活動を国家の管理化で監視する体制作りである。
 第30条は特許の使用許諾に関する規定である。
 第31条「フランチャイズ活動を始める前に、フランチャイザーは{中華人民共和国特許法}及びその実施細則の規定に基づいて、商標の使用許諾契約の届け出手続きを行わなければならない」
 フランチャイズ活動を始める前に商標登録の届け出手続きを義務付けているものであるが、実務的には有用な規定である。日本では商標登録をしないまま、フランチャイズ展開を始め、加盟店数がかなりの数になってから未登録に気付き、登録を申請したところ、既に競合他社が取得した後であったという悲劇が未だに後を絶たないので、どこかでチェックする機会が欲しいものである。

第7章 外商投資企業に関する特別規定

 外国企業がフランチャイズ展開を行う場合の義務規定であり、6条を置いて規制している。
 第32条は、{外商投資産業指導目録}に記載された禁止類の業務に従事してはならないとする禁止規定である。
 第33条「外商投資企業はフランチャイズ方式で商業活動に従事する場合、元の認許可部門に“フランチャイズ方式による商業活動の展開”を経営範囲に追加するよう申請し、下記の書類を提出しなければならない。
(1)申込書及び董事会決議
(2)企業の営業許可書及び外商投資企業批准書(写し)
(3)契約、定款の修正に関する協議書(外資企業は単に定款の修正に関する協議書を提出)
(4)本弁法第7条の規定に合致していることを証明する関係資料
(5)本弁法第19条に定められた情報資料
(6)フランチャイズ契約の見本
(7)フランチャイズ運営マニュアル
 認許可部門は上記すべての申請資料を受領した30日以内に書面にて許可または不許可の決定を下さなければならない」
外国企業に対して、様々な特別規定を置くことはやむをえないが、フランチャイズ契約書の見本、運営マニュアルの提出義務には抵抗を感ずる。特にコンビニでは「契約書そのものがノウハウである」として加盟店に渡さなかった時期があったと聞くだけに、抵抗感が残るであろう。まして運営マニュアルはノウハウそのものであり、その提出には不安感がある。恐らく、中国当局にノウハウの重要性の認識が乏しいのであろうと感ぜずにはいられない。
第34条は毎年1月に前年度のフランチャイズ契約の締結状況の報告義務と届け出義務の確認である。

第8章 法律責任

 3条を置いて罰則規定を定めている。
 第38条「本弁法の第7条、第8条に違反したものは、商務主管部門が是正を命じ、同時に3万元以下の罰金を併科することができる。情状が重大である場合は、工商行政管理部門に請求してその営業許可証を取り消す」
 第7条はフランチャイザーの資格要件、第8条はフランチャイジーの資格要件であり、違反した場合は是正命令と罰金である。更に重大と認定された場合は営業許可証の取消しを命ぜられる。恐ろしい規定である。
 第39条「本弁法の規定に基づいて情報開示をしなかったものは、商務主管部門が是正を命じ、同時に3万元以下の罰金を併科することができる。情状が重大である場合は、工商行政管理部門に請求してその営業許可を取り消す」
 情報開示義務を怠ったり、虚偽の情報開示を行った場合は是正命令と罰金、程度が重いと認定されたら営業許可証の取り消しである。ここまでやることは無いと思うが、日本は社名公表処置のみで、しかも1回も発動されていない野放しの状況には危機感を感ずる。
 第40条「本弁法の規定に違反して広告宣伝したものは{中華人民共和国広告法}及びその他の関係法律、行政法規と規則の規定により処罰する」
 広告宣伝に関する規制であり、処罰という言葉の重さを感じずにはいられない。自由主義日本の大らかさを感ずると共に、共産国中国のような罰則規定が厳しい国が隣にあることを意識したい。フランチャイズに関する情報開示や、虚偽宣伝等は犯罪行為に等しいことをお互いに認識したい。

第9章 附則

 第41条「本弁法は商務部が解釈に責任を負うものとする」
やはり、商務部(日本では経済産業省に該当するのであろうか)が法律解釈の責任を負うと定めている。
 第42条「本弁法は2005年2月1日より施行し、旧国内貿易部によって公布された{商業フランチャイズ管理弁法(試行)}を同時に廃止する」
 この中国フランチャイズ管理法は2005年2月1日より試行されていることが判る。
 以上、フランチャイズエイジ5月号に掲載された「中国フランチャイズ管理法」の訳文を元に「メクラ蛇に怖じず」の精神で一応の解釈と、日本の法規との比較を行ってみた。元より法律の素人の意見であるので間違いや勘違いが多いことは承知の上で発表してみる。
 既に、中国では吉野家、セブンーイレブン、ローソン、ファミリーマート等多数の日本のフランチャイズ企業が事業展開をしており、この法規の枠の中で活動している。いずれJFAの国際部会等で、この法律に対する実務家の意見や解釈が出てくると思われる。
 本見解が議論の叩き台の一つになることを期待する。さまざまな思い違いや間違いがあるとおもわれるので、是非ご指摘をいただきたい 。


本文の無断引用は禁止いたします