フランチャイズ時評バックナンバー

黒川孝雄の美

「フランチャイズ・ショー&ビジネス・エキスポ2006」を振り返る

1. 過去最大の出店社数で、かつ華やかであった

 2006年3月7日から9日まで、東京都江東区有明の東京国際展示場「東京ビッグサイト」で第22回「フランチャイズ・ショー&ビジネス・エキスポ2006」(主催・日本経済新聞社、特別協力日本フランチャイズチェーン協会)が開催された。
 今年の出展社はフードサービス業50社(前年比9社増)、小売業26社(前年比9社増)、サービス業35社(前年比6社減)、ビジネス・エキスポ29社(前年と同数)合計140社となり、前年に比較すると12社増である。
 更に、フランチャイズ支援ビジネス11社(前年比2社増)、フードサービス関連支援ビジネス14社(前年比3社増)、フランチャイズ無料相談・出版社
12社(前年比1社増)を合算すると177社、前年比18社増、出展小間数は393小間で前年比98小間増、いずれも過去最大の規模となり、西4ホールと西3ホール全体を借り切る盛会となった。
 3日間の入場者数は34,384人となり、昨年より4千人以上の増加であり、これも過去最高の入場者数であった。
 またTSUTAYAの20小間や、ネットカフェ各社が大規模な小間数を借り、かつモーターショーを思わせるようなコンパニオンを動員する小間も多数表れ、華やかなショーであった。
 海外勢の出展は今年も見られなかったが、3月5日から7日に掛けて、隣接のワシントンホテルで、アジア太平洋フランチャイズ連盟(APFC)と世界フランチャイズ協議会(WFC)の総会が(社)日本フランチャイズチェーン協会の主催で開催されていた。WFCやAPFCの総会が日本で開催されるのは初めてであり、世界第2位のフランチャイズ大国日本の出番が遅すぎたきらいがあると考えた方が適切であろう。
 海外勢が日本のフランチャイズ・ショーに出展する時代から、日本のフランチャイズ本部が海外、特にアジアに進出する時代に変化したのである。
 例年同様、日本フランチャイズチェーン協会の正会員社の出展は相対的に少なく、ベンチャー的なフランチャイズ本部や、フランチャイズ支援ビジネスの参加が増加している。
 出展社の数の多さと、華やかさを一概に「フランチャイズの発展」と言い切れない点は問題である。

2. フードサービス業

 出展社50社(内フードコート6社)のうち、実に18社が新規出展である。サービス業同様新陳代謝の激しい業界である。ラーメン10社は04年と同数であり、最大の出展数である。ラーメンブームは去ったと言われるが、相変わらず最大の勢力であり、日本人の国民食と位置付けることが出来よう。話題を集めたのは幸楽苑であろう。実際の店舗と同じ店舗を作り、売り物の390円ラーメンを提供していた。かねて、東京23区でフランチャイズ展開を行うとしていたが、現実にはあまり出店できていなかったようであるが、郊外型のフランチャイズを始めて、本格的なフランチャイズ化を宣言するための出展であったのであろう。既に、スパゲッティの「ジョリーパスタ」を幸楽苑に転換した事例が首都圏の郊外型店舗で見られるようになった。
 グロビートジャパンはラーメンの新業態「ちゃぶ屋」を秋葉原で成功させて、本格的なフランチャイズ展開を図ろうとするのであろう。
 宅配ビジネスは高齢化社会を迎えて注目業種であるが、弁当、食材、寿司宅配など4本部の出展で、2番目に多い業態である。中でも注目は夕食材料宅配のショクブンである。同社はフードサービス業としては新規出展であるが、昨年はフードサービス関連支援ビジネスとして出展していた。昭和52年に名古屋市で設立された老舗企業であり、約30年間食材宅配業のフランチャイジーとして愛知県、三重県、岐阜県、大阪府、京都府、神奈川県に55の拠点を配置したメガフランチャイジーであった。資本金7億9千万円、売上高122億円、経常利益2億5千万円で東証2部上場の公開企業である。昨年、夕食産業としてフランチャイズ本部となり、食材宅配の、タイヘイ、ヨシケイと並ぶ大手宅配業である。
 ショクブンのフランチャイズ契約の内容は独特であり、加盟金、ロイヤルティは商圏人口に何銭という単位を乗じた金額であり、テリトリーは当然のことながら明確化されている。同社によれば、加盟金の金額は僅かであり、加盟金で利益を取る気持ちは全くないそうである。開業資金はリースや土地・建物の賃借を活用することにより5百万円程度で済むそうである。関東地区にもフランチャイジーも出来て、今後の展開が期待される。
 続いて多いのがそば、うどんの4本部である。3年前には空前の讃岐うどんのブームであったが、話題の本部は昨年から出展していない。讃岐うどんはわずかに1社である。そばの鐘庵は初出展であるが、注目本部である。静岡県に本部を置き、駿河湾産の「桜えびのかき揚げ」を最大の目玉とする、美味しいそばチェーンであり、かき揚げの独自の製法は特許出願中である。鐘庵で今一つ注目すべき動きは、愛知県から西をメガフランチャイジーのタニザワフーズ にエリア権を譲渡して、東海西部地区本部としている点である。自社の力で全国展開が無理と判断したら、メガフランチャイジーと組んで柔軟に対応する組織戦略は見事であり、今後の発展に注目したい。
 次に多いのはお好み焼き、やきそばの3本部である。東鳳物産は初出展であるが、「だしお好み焼き」の試食を行い大勢の人を集めていた。花門亭の名称で直営店8店、加盟店8店合計16店の出店は新興フランチャイズ本部と称してよいであろう。薄焼きお好み焼きを商品特徴として、味を5種類に変化させてあたかも100種類以上のメニューがあるように感じさせる演出は見事である。従来は、ライセンス・システムとフランチャイズ・システムの2本立てであったが、このフランチャイズ・ショーへの出展を機会にフランチャイズ・システム1本に切り替えるそうである。(既存契約はそのまま)
 居酒屋も3本部出展であり、比較的少ないという印象である。目だったのは8小間の大ブースを取ったレインズ・インターナショナルである。牛角を初め様々な業態を展開する本部であるが、居酒屋として、「てっぱちや」「かまどか」「土間土間」の3業態と、業績好調な「しゃぶしゃぶ温野菜」を中心にアッピールしていた。昨年力を入れていたライセンス・システムの「牛角食堂」「遊食
東山庵」は何故かパンフレットも出ていなかった。
 ライセンスで唯一大きく宣伝していたのはプレステージダイナーという初出展企業であり、パンフレットによれば10のブランドをライセンスとフランチャイズで展開している。中でも一番中心業態は「松坂牛焼肉M」であり、提携先のライトハウス(大阪市)が開発したブランドのようである。プレステージダイナーもライトハウスも主要業務はコンサルタント業であり、FC加盟マッチングサービス(会社概要より)のようである。面白い表がブースに掲示されていたので参考までにお知らせする。

  フランチャイズ ライセンス
契約適合性 全ての方に対応 類似業態事業者
またはFC加盟経験者向き
運営リスク
【研修期間】
短期 短期
(全くない場合もある)
運営リスク
【習熟難易度】
高い
(店長への依存)
非常に高い
(基本的にスタッフ研修は自力)
投資リスク
【運営リスク】
やや高い
(SV支援あり)
高い
(自己責任)
投資リスク
【撤退リスク】
高い
(全額自己負担)
高い
(全額自己負担)
加盟金 契約時全額 契約時全額
特徴
(この部分はライトハウスの
パンフレットより引用)
新規参入企業にとっては、ノウハウ取得の有効な手段と評価されているが、ロイヤルティの費用対効果について不満を持たれる場合もある。 FC加盟店としての経験が長く運営ノウハウを十分に取得されている企業にとっては評価されているが、新参入企業にとっては運営面での負担が高いため撤退リスクが高くなる可能性がある。

 「松坂牛焼肉M」は加盟金1千万円、ロイヤルティ不要であるから、完全なライセンスシステムである。その他の9ブランドは売上歩合か固定制の差はあるが、ロイヤルティを徴収しているので、多分フランチャイズなのであろう。 
 如何にもコンサルタント会社らしく、フランチャイズとライセンスの差を明記して、注意を喚起しているのは面白い。ライセンス・システムについては後ほど詳しく触れたい。
 昨年フードサービス業界で一番話題を呼んだジンギスカンとスープカレーは、夫々1本部のみの出展であり、ブームは去ったのであろうか。

3. 小売業

 小売業は27社であり、昨年に比較すれば9社増である。
 循環型社会のビジネスモデルとして、リサイクル関連が5社出展して最大である。釣具、ゴルフ、子供服、総合リサイクルショップと多様である。パートナーズアンドカンパニーはブランド子供服のリサイクルショップであり、「わくわくキッズ」の店名で、大手ショッピングセンターに多数出店している。各店平均5千人のママと子供が常連客だそうである。「わくわくキッズ」の特徴は、店舗に持ち込まれたブランド子供服を時給900円程度のアルバイトでも値付けできるノウハウである。アイテム、ブランド(約300種類)、保存状況、デザイン性等8項目に分類して、マニュアル通り入力すれば、ほぼ自動的に買取り価格と売価が決定するそうである。もう一つの特徴は、会員制度である。入会金100円を払えば誰でも会員に登録され、会員証が発行される。会員申込書に親子の個人情報を記入してもらい、それをコンピューターに記録している。一度会員になると、会員証を提示すると購入、売却ともに5%のポイントが加算される仕組みである。会員証のナンバーで過去の購入歴やブランドの好みが一覧できる。実に見事なワン・ツー・ワン・マーケテイングである。
 多分、リサイクル企業は同じような仕組みが出来ており、会員登録によりワン・ツー・ワン・マーケティングになっており、究極の販売促進ができることが、これだけリサイクルショップが増加した一つの理由であろう。
 デフレビジネスを象徴する100円ショップが2社出展しており、今回1000円ショップが1社出展した。どのような展開になるか注目したい。
 また生鮮コンビニの代表格としてショップ99が出展していた。この3月末には800店舗を超えるというから大変な勢いである。生鮮4品、一般食品・菓子・雑貨で品揃えは12,000アイテムに及ぶそうである。ほとんどの品が99円均一プライスである。既存店ベースで昨対比が100%割れしていたが、今年の2月頃から再び100%を超えだしたそうである。加盟条件はAパターン(全額投資ができる方)のロイヤルティが粗利益の20%、Cパターン(契約金のみ負担)のロイヤルティは粗利益の40%、Dパターン(店舗を用意できるけれど、小資金で開業したい方)のロイヤルティは粗利益の20%という3パターンが用意されている。契約金300万円はコンビニ並みであり、基本的にコンビニと同じフランチャイズ・パッケージのようである。
 大手コンビニでも追随する動きがあり、ローソン、サークルKサンクス、am/pm等の動向が注目される。
 コンビニで唯一出展していたのはファミリーマートである。昨年もファミリーマートのみの出展であり、理由が判らなかったが、ファミリーマートは法人の複数出店に意欲的であり、02年4月に新たに1FC-Cという契約形態を発表している。これは加盟店に内装費と加盟金を負担してもらい、ロイヤルティは営業総利益の48%に低減し、複数出店を促すという内容である。複数出店している法人からの聞き取り調査によれば、2号店以降の投資額は1050万円程度だそうである。即ち、個人加盟者が減少している中で、ファミリーマートはいち早く法人加盟社の獲得に動きだし、相当の成果を得ているから、このフランチャイズ・ショーに出展するのであろう。同様に、法人加盟店の獲得を目指している、ローソン、ミニストップ等も、再びこのフランチャイズ・ショーに出展する可能性がある。
 今回のショーで最大の小間数を誇ったのはカルチャー・コンビニエンス・クラブ(CCC)のTSUTAYAで20小間を使用しており、一番目立つ小間であった。最大の小間数を使用する場合は、新規出展か新業態発表が多いが、今回のTSUTAYAは、DVD・VIDEO、CD、本、ゲームの品揃えであり、既存の業態をマルチ・パッケージ・ストアー(MPS)として再編することが目的かと思われる。店舗数1150店、会員数1850万人とう圧倒的なシエアーを持ち、ゲオと2分する最大の勢力である。これも会員ビジネスであり、ワン・ツー・ワン・マーケティングが力を発揮している。

4. サービス業

 サービス業の出展社は35社であり、昨年より6社減で、唯一の減少組みである。35社のうち、今年新規に出展したのは16社であり、実に半数近いフランチャイズ本部が新規出展である。昨年のサービス系出展社の半数が今年の出展を見送っている。
 これから伸びるのはサービス業フランチャイズであるのは万人の認めるところであるが、なぜ半数のフランチャイズ本部は出展を見送ったのであろうか。
 理由はいろいろあるだろうが、1つは出展コスト(人件費を含めれば最低100万円)の回収ができなかったのであろう。せっかくフランチャイズ・ショーに出展しても多分、加盟店開発が1社もなかったのであろう。もう一つは、事業基盤が弱いため、事業規模の縮小かフランチャイズ開発の一時的停止も考えられる。やはり出展する以上は、数年の単位で考えて、力量を蓄えてから出展するのが常道であろう。
 サービス業で最大の出展社数で注目を浴びたのは、エステサロンの7社である。「美しくなりたい」という人間最大の願望をフランチャイズにした点が受けたのであろう。
 次いで多いのはネットカフェの6社出展である。いずれも大きなブースを構え、中にはコンパニオンを配置して華やかな光景が見られた。ネットカフェの業種は日経MJの調査によれば、04年度は03年度に比較して38.1%の伸び率であり、フランチャイズの中では最大の伸び率である。ネットカフェは従来の若者マーケットから、中高年、ファミリー層まで取り込む社会的に健全なビジネスとの評価を得始めた。ランシステム、アプレシオ等は株式を公開して、社会的認知を得ている。
 アプレシオでは、今年度よりパートナーコントラクト方式を開発して加盟店の増大を企画している。これは、ネットカフェの投資額は一般的に1億円以上の額になり、法人でも全額負担は困難という事情を勘案して、例えば加盟者が半額の6千万円投資、本部が半額の6千万円(内装、外装、厨房機器、備品、什器、パソコン等一切)を投資して、本部の投資額は毎月店舗使用料、機器・設備リース料として徴収する仕組みであり、コンビニのC型と類似するが、加盟者の投資額が比較にならない程高額であり、それなりの法人でないと、簡単に加盟できない。アプレシオでは06年9月期に12店舗のパートナーコントラクト方式による加盟を見込んでいる。
 昨年6社出展した学習塾は、今年は4社に減り、かつブースも小さくなった。ニーズが減少した訳ではないが、宇治市で起きた教師が生徒を殺害するという不祥事が、学習塾の出展意欲を殺いだのであろうか。今年も、またすべて「個別指導」であることが特徴的である。
 今後、一番拡大が見込まれる介護ビジネスは、1社の参加に終わったのは寂しい。介護保険の削減がビジネスとしての面白みを失わせたのであろうか。来年以降の拡大を期待したい。

5. フランチャイズ支援ビジネス

 10社が出展していたが、相変わらず集客力の高いのはベンチャーリンクである。外食のフランチャイズで一時代を築いたが、外食フランチャイズ本部でベンチャーリンクに開発依頼しているのは、フジオフードシステムのみであり、「まいどおおきに食堂」と「かっぽぅぎ」の2ブランドである。それ以外のフランチャイズは海外から購入して、VL社が本部になった「七つの習慣J」と「カーブス」(フィットネスクラブ)、及び篠崎屋の豆腐類を販売する「三代目茂蔵」の3ブランドである。
 昨年、ライセンス販売に特化するとして、一番力点を置いたピソリーノ(イタリアンレストラン)、ニューズ・デリ(デリとカフェ)、火の音水の音(フジオフード)米楽(お茶漬け専門店)は、今年は全く姿を消していた。(印刷物はなかった)ライセンス料1000万円とか600万円とかいうべらぼうな価格はマーケットに受け入れられなかったのであろうか。自社開発の陳麻家(マーボライスと坦々麺)は、パンフレットによれば「展開後わずか1年で30店舗以上に」と実績報告している。確かに1年間で30店舗以上の展開は、素晴らしい店舗数であるが、昔のVLの勢いを知る者にとっては、何とも勢いのない数字である。
 昨年のフランチャイズ・ショーではライセンス・システムが花盛りの感があったが、今年は殆どライセンスという表現も見られず、わずかに「松坂牛焼肉M」(プレステージダイナー)と陳麻家(ベンチャーリンク)の2つのみであり、昨年ライセンス・システムをもって登場した小林事務所とグッドブレインの2社は、今年は出展していない。また、レインズ・インターナショナルもライセンス・システムについては印刷物もなかった。
 むしろ東鳳物産(お好み焼きの開花亭)のように、ライセンス・システムは外食のプロか、外食のプロを雇用できる企業にしか販売できず、大きく展開できないとして、このショー以降はすべてフランチャイズに特化するという考え方が正解なのであろうか。やはり、継続的指導を伴わない「売りっ放しのライセンス」では、成功しないのであろうか。(弊社ホームページFC時評「ライセンスビジネスを考える」を参照)

6. フランチャイズ無料相談・出版

 筆者は今年で、6回目の無料相談を行ったが(中小企業診断協会東京支部フランチャイズ研究会)、今年ほど本部設立相談の多い年はなかった。感覚としては、無料相談に立ち寄られる方の8割は本部設立希望者であり、相談内容も具体化して、既に直営店を数店、もしくは数十店展開しており、更なる事業拡大を目指すためにフランチャイズ制を採用したいとする相談が多かった。
 また、加盟店の希望者もすでに飲食事業を10店舗展開して、それなりの利益は出ているが、マネジメント力強化のために優秀な本部の加盟店となって、マネジメント能力を高め、自社ブランドを強化して、できればフランチャイズ展開を始めたい等前向きの相談が多かった。
 会場全体の雰囲気や、フランチャイズ無料相談などを通じて、日本経済の回復力の強さを痛感した3日間であった。
 また、このフランチャイズ・ショーに間に合わせるように出版した「成功するメガフランチャイジー」(同友館、2100円)が良く売れた。

7. セミナー

 フランチャイズ・ショーのセミナーも見逃せない。今年のセミナーはオープニングセッション(無料)、特別セッション(会費1万円)、フランチャイズ本部・新規ビジネス立ち上げセミナー(4本、会費各1万円)、フランチャイズ加盟希望者向けセミナー(12本、無料)の4本立てであった。
 まず、オープニングセミナーは、(社)日本フランチャイズチェーン協会の加藤会長の挨拶、筆者のオーバービューに始まり、サークルKサンクスの土方社長とペッパーフードサービスの一瀬社長の「わが社の経営理念と戦略」が語られた。
 土方社長は、コンビニの競争激化は単にコンビニ間の競争ではなく、スーパー、ドラッグストア等業態間競争となり、その中で生き残るには新業態の開発が不可避であり、ユニーと合弁で「九九いちば」を立ち上げたり、更に新しい業態をこれからも立ち上げるという内容であった。
 一瀬社長はペーッパーフードの転機はいろいろあったが、渋谷のJR東日本レストランの開店が大きな転機となり、1千6百万円を売る繁盛店になったことや、フードコートに出店して、売価の安い「とんちゃんライス」の開発や、アルミを使った軽い皿の開発、台湾での大型店ではレストランとしてテーブルサービスを開始して、非常に繁盛したこと、これを日本に持ち帰りレストランタイプを開発した事例等非常に興味のある内容であった。いずれ、「フランチャイズ・エイジ」に詳しい内容が報告されるであろうが、是非来年もフランチャイザーの現役社長から生の話が聞けるので、参加をお勧めする。
 次に特別セッションの「フランチャイズ選びの極意」は、まずオストコンサルティングの杉本収代表より、「日本のメガフランチャイジーの動向」と題して109社のメガフランチィジーから集めた実態調査の報告がなされた。続いてアルシアフードシステム代表の近藤浩之氏、グッドウイル・フードサービス代表の酒井一洋氏、ヴィアン常務取締役の高梨一郎氏がパネリストになり、FRANJA編集長の波多野陽子氏の司会により、現役フランチャイジーから本部選びの極意が語られた。詳細な内容は、FRANJA5月号、7月号に掲載されるので、同誌を読んでいただきたい。
 フランチャイズ本部・新規ビジネス立ち上げセミナーは4本であるが、筆者は「本部立ち上げ初期に取り組む加盟店開発」を3時間にわたって講演した。最初は40名程度の入場者と聞いていたが、次々と入場者が増加して、机と椅子が追加され、最終的には50名以上の盛会となった。講演後、名詞交換を行ったが、アーリーステージの本部か、これからフランチャイズを新規に始めたいとする法人が多かった。やはり、日本経済の力強い回復を感じさせるセミナーとなった。
 フランチャイズ加盟希望者向けセミナーは、無料で12本行われた。中小企業診断協会東京支部フランチャイズ研究会(会長・西野公晴氏)の特別協力で行われた。中には弁護士、税理士の会員もいる。このセミナーの特徴は、ベテラン会員が、セミナーに出演する会員の本番さながらの講演を聞いて、内容や講演態度について厳しい指導や質問をして、育て上げることである。年々実力を蓄えてきた講師の講演は十分聞き応えのあるものばかりである。参加者はフランチャイジー希望者に限定され、本来の目的を達しているが、会場の面積と入場者の数がアンバランスで、入場者はメモが取れないほどの活況である。一つ主催者に提案したい。会場の面積は如何ともしょうがないが、入場者を絞ってせめてきちんとメモが取れる余裕を持たせてはどうだろうか。そのためには、1人、2講義まで等の制限が必要であろう。会場を見ていると、同じ人が1日4講座も聞いている事例があり、遠くから来る加盟希望者の気持ちは判るが、ある程度の制限は止むを得ない措置と思う。
 恐らく、日本で無料で受けられる「フランチャイジー向けセミナー」では、最高のレベルの講演である。なお、同じメンバーが(社)日本フランチャイズチェーン協会が隔月の第3土曜日に開催する「やさしいフランチャイズ教室」の講師で出演しているので、今回受講できなかった方は、是非そちらの方で受講願いたい。(詳細は日本フランチャイズチェーン協会のホームページ参照)

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