フランチャイズ時評バックナンバー

黒川孝雄の美

第2回コンビニオーナー世論調査に対する考察

 月刊コンビニ(商業界刊)06年6月号に第2回「コンビニオーナー世論調査」が掲載された。今年も、編集者の同意を頂いて、FC時評に掲載をさせて頂くことになった。月刊コンビニの編集長にお礼を申し上げたい。

Ⅰ データの性格について

 この調査は「月刊コンビニ」の定期購読者に向けて5月号で発送し、コンビニオーナーの方にのみ回答をお願いしたものである。質問項目は78(前年比13項目増加)、有効回答は255(前年比13増)であり、調査としては統計上意味のある調査であるが、回答者は「月刊コンビニ」の読者で、かつコンビニ経営のオーナーに限定されているため、無条件で世間一般のコンビニオーナーの意向とは同一ではない。月刊コンビニの読者というバイアスの掛かったデータであることにご注意いただきたい。
 しかし、これは調査結果に間違いや偏向がある訳ではない。むしろ月刊誌を毎月定期購読する勉強熱心なオーナーであり、意識的には進んでコンビニ経営を勉強しようとするオーナーのご意見であることに注意を促したに過ぎない。
 コンビニの系列別の意向ではなく、営業立地も特定されていない。しかし、今年の調査には年齢が加わったので昨年よりは1歩前進である。昨年も述べたが、定期的に調査を行い、オーナーの意向の変化や、新業態や新商品に対する意見の変化(今年は、驚くほど変化した)の経過を見る上で、非常に貴重な調査である。
 各本部は当然、自社のオーナーに対しては様々な調査を行って、余すところ無く調べ尽しているであろうが、門外漢の筆者が読んでも、驚くべき変化が読み取れるので、是非コンビニ全体に対するオーナー意見として参考にされることを期待したい。

Ⅱ アンケート調査の結果

 店舗経営について

1 日々のお仕事から、個人消費は回復していると実感できますか?
・ 回復している 3%
・ 回復基調にある 27%
・ 回復基調にはない 57%
・ むしろ悪くなっている 13% 

2 この1年、本部は加盟店の利益を高めるために努力をしていると思いますか?
・ あすます努力をしている 7%
・ 変わらずに努力をしている 35%
・ 努力が少し足りないと思う 42%
・ 努力がぜんぜん足りないと思う16%

3 06年2月期の決算では、チェーン本部が利益を上げる一方で、既存店売上高は今年も前年割れ。この現実をどう受け止めますか?
・ 本部あっての加盟店なので、本部の業績好調は素直に嬉しい 6%
・ 本部の利益も大事だが、加盟店の利益対策も考えてほしい 74%
・ 本部は儲けすぎだ。すべて加盟店に利益を還元すべきだ 20%

4 現在担当しているスーパーバイザーの指導に満足していますか?
・ 大変満足している 5% 
・ 満足している 29%
・ あまり満足していない 32%
・ どちらとも言えない 9%

5 コンビニの24時間営業については、どう考えますか?
・ 原則的に厳守すべき 14%
・ 店舗によっては必ずしも24時間の必要はない 70%
・ 加盟店が自由に決めればよい 16%

6 異業種との競争で自店にとって最も影響が大きいものを1つ挙げて下さい
・ スーパーマーケット 46%
・ ドラッグストア 13%
・ 持ち帰り弁当店 10
・ ファーストフードチェーン 7%
・ 100円ショップなどの均一価格チェーン 24%

7 ショップ99のような、生鮮100円コンビニは、コンビニにとって?
・ 競争相手、共存する業態ではない 61%
・ 品揃えやサービスの違いで、十分に共存できる相手 34%
・ コンビニにとってほとんど影響のない相手 5%

8 あなたのお店で、生鮮品の扱いをもっと拡大して、充実させたいと思いますか?
・ 大いに拡充したい 15%
・ 多少拡充したい 35%
・ 現状のままでよい 35%
・ むしろ縮小させたい 6%
・ 分からない 9%

9 「少子高齢化社会」と言われています。日々の仕事の中で実感はありますか?
・ 実感している 42%
・ 多少実感している 42%
・ ほとんど実感していな い 14%
・ まったく実感していない 2%

10 (9の質問で、実感している、または多少は実感している、に丸をつけた方に)
・ している 22%
・ 多少はしている 58%
・ ほとんどしていない16% 
・ まったくしていない 4%

11 あなたはチェーンの商品展示会に行っていますか?
・ 行っている 86%
・ 行かないときもある 7%
・ 行ったり行かなかったり 4%
・ ほとんど行っていない 3%

12 商品展示会への参加は、日々の仕事の役に立っていますか?
・ 非常に役に立っている 16%
・ まあまあ役に立っている 50% 
・ あまり役にたっていない26%
・ まったく役にたっていない 8%

13 今、「格差社会」や「下流社会」が進行していると言われています。実感はありますか?
・ 実感している 36%
・ 多少は実感している 37%
・ ほとんど実感していない 24%
・ まったく実感していない 3%

14 (上記の質問で実感している、または多少実感している、に丸をつけた方に)
  どのようなときに実感しますか?
・ お客様を見たとき 39%
・ 商品の売れ方を見たとき 33%
・ 従業員との会話の中で 9%
・ その他 11%
・ 街を歩いたとき 8%

15 積極的に外回り営業を行うコンビニが増えています。チェーンの中に推奨しているところもあるようです。この傾向には賛成しますか?
・ 賛成 11%
・ どちらかといえば賛成 35% 
・ どちらかといえば反対 33%
・ 反対 21%

16 今後、店数を増やしていきたいですか?
・ 増やしたい 54%
・ 分からない 23%
・ 増やしたくない 23%

17 店数を増やす目的は?
・ オーナー収入のため 72%
・ 従業員のため 17%
・ ご子息のため2%
・ 社会的意義のため 6%
・ チェーン本部のため 3%

店舗運営について

18 オーナーとパート・アルバイトが定期的に「話し合いをする機会」を持つ「店内ミーティング」は必要だと思いますか?
・ 必要である 83%
・ 必要でない 4%
・ どちらとも言えない 13%

19 発注をパート・アルバイトに任す、いわゆる発注分担については?
・ なるべく分担する 56%
・ ある程度は分担する方針である 40%
・ 基本的にはオーナー一人で発注をすべきだと思っている 4%

20 名前を覚えているお客様は何人いますか?
・ 0人 2%
・ 1~5人 20%
・ 6~10人 20%
・ 11~20人20%
・ 21~50人 21%
・ 51人以上 17%

21 あなたのお店の固定客は、全体の何割と感じていますか?
・ 1割 1%
・ 2割 4%
・ 3割 12%
・ 4割 12%
・ 5割 12%
・ 6割 16%
・ 7割 24%
・ 8割 15%
・ 9割 4%
・ 10割 0%

22 あなたのお店で、最も増えてほしいお客様の層は?
・ 子供 3%
・ 中高生 2%
・ 若い男性 14%
・ 若い女性 36%
・ 中高年男性 20%
・ 中高年女性 17%
・ 高齢者 8%

23 パート・アルバイトの採用・確保に苦労されていますか?
・ 大いに苦労している 61%
・ 多少は苦労している 33% 
・ 苦労は感じない 6%

24 チケット販売や収納代行などサービス商品が増加する傾向について  
・ もっと増やすべきである 26%
・ 精査して、売上が見込める商品のみ増やすべきである 50%
・ 取り扱いが煩雑なのでこれ以上、増やすべきではない 13%
・ 売上が上がらないものは減らすべきだ 11%

25 電子マネーと呼ばれる「エディ」や「スイカ」、「携帯電話」を使用した「支払い」が今後、増えていくことが予想されますが、売上にとっては?
・ 売上の伸びが大いに期待できる 24%
・ 売上の伸びは、少しは期待できる 61%
・ 売上の伸びはまったく期待できない 15%

26 電子マネーにとる「支払い」が今後、増えていくことが予想されますが、店舗にとっては? 
・ レジ作業が大いに軽減できるので大歓迎 24%
・ レジ作業が多少とも軽減できるので歓迎 45%
・ レジ作業が軽減できているとは思えない 31%

商品展開について

27 予約商品の販売について 
・ 非常に力を入れて取り組んでいる 15%
・ まあまあ力を入れている42%
・ あまり力を入れていない 33%
・ まったく力を入れていない 10%

28 次の予約商材の中で、一番「期待できる」分野だと思うものを1つ挙げるとすれば?
・ 中元&歳暮ギフト 22%
・ 父の日、母の日など慶事ギフト 9%
・ クリスマスケーキ 28%
・ 恵方巻き 22%
・ 丑の日の「うなぎ弁当」4%
・ ボジョレヌーボ 2%
・ 年賀状印刷 7%
・ 年末年始商品 6%

29 同様に、次の予約商材の中で、今後あまり「期待できない」分野だと思うものを1つ挙げるとすれば?
・ 中元&歳暮ギフト 15%
・ 父の日、母の日などの慶事ギフト 16%
・ クリスマスケーキ 6%
・ 恵方巻き 2%
・ 丑の日の「うなぎ弁当」 10%
・ ボジョレヌーボ 16%
・ 年賀状印刷 19%
・ 年末年始の料理 16%

30 自チェーンのオリジナル商品に満足していますか?
・ たいへん満足している 6%
・ 満足している 34%
・ あまり満足していない 34%
・ 満足していない 22%
・ どちらとも言えない 4%

31 実感として「新商品」の売れ行きは以前より
・ 売れなくなった 33%
・ 多少は動きが鈍くなった 43%
・ 以前と変わらない 20%
・ 以前より売れている4%

32 DVDソフトを扱うお店が増えています。期待できますか?
・ 大いに期待できる 15%
・ 多少は期待できる 57%
・ あまり期待できない 24%
・ ほとんど期待できない 4%

33 「実感」で結構です。この1年間に発売された「飲料」(ソフトドリンク)は、それ以前と比べて、魅力的な内容になっていますか?
・ 魅力的になっている 12%
・ 変わらない 55%
・ ますますの努力が必要だ 33% 

34 上記と同様に「ビール・発泡酒・第3のビール」は、どうですか?
・ 魅力的になっている 33%
・ 変わらない 50% 
・ ますますの努力が必要だ 17%

35 上記と同様に、「菓子」は、どうですか?
・ 魅力的になっている 13%
・ 変わらない 55% 
・ ますますの努力が必要だ 32%

36 上記と同様に、「カップ麺」は、どうですか?
・ 魅力的になっている 23%
・ 変わらない 52%
・ ますますの努力が必要だ 25%

37 前記と同様に、「化粧品」は、どうですか?
・ 魅力的になっている 15%
・ 変わらない 57%
・ ますますの努力が必要だ 28%

38 前記と同様に「米飯、調理麺、調理サンド」などファーストフードは、どうですか? 
・ 魅力的になっている 24%
・ 変わらない 38% 
・ ますますの努力が必要だ 38%

環境&生活について

39 コンビニの「社会的責任」について。あなたのお店は地域社会に貢献している?
・ 積極的に貢献している 37%
・ これからしていきたい 51%
・ できればしたくない 8%
・ 必要性を感じない 4%

40 コンビニの「環境対策」について。あなたのお店では?
・ 積極的にしている31%
・ これからしていきたい 61%
・ できればしたくない 5%
・ 必要性を感じない 3%

41 この1年間で、1泊以上の国内旅行はしましたか?
・ していない 48%
・ 1度した 22%
・ 2度した 15%
・ 3度した 9%
・ 4度した 4%
・ 5度以上した 2%

42 昨年と比べて、家族の会話は
・ 増えた 16%
・ 減った 26%
・ 変わらない 58%

43 1カ月の小遣いは
・ 1万円未満 13%
・ 1~2万円台 22%
・ 3~5万円台 43%
・ 8~10万円 13%
・ 11万円以上 9%

44 実感として仕事時間は
・ 非常に長いと感じる 38%
・ 多少長いと感じる 28%
・ 普通だと思う 28%
・ 少ないと感じる 6%

45 具体的に1日平均、何時間、お店で仕事していますか?
・ 5時間未満 6%
・ 5~7時間 11%
・ 8~9時間 15%
・ 10~11時間 31%
・ 12時間以上 37%
 
46 実感として睡眠時間は
・ 十分にとれている 19%
・ まあまあとれている 43%
・ あまりとれていない 28%
・ ぜんぜんとれていない 10%

47 具体的に1日平均睡眠時間は何時間ですか?
・ 6時間未満 37%
・ 6~7時間 54%
・ 8~9時間 9%
・ 10時間以上 0%

48 実感として休日は
・ 十分にとれている 11%
・ まあまあとれている 17%
・ あまりとれていない 26%
・ ぜんぜんとれていない 46%

49 具体的に完全な休日をどれだけとっていますか?
・ 1週間に1日 25%
・ 1週間に2日以上 8%
・ 2~3週間に1日 9%
・ 1カ月に1日 4%
・ ほとんど休まない 54%    

50 現在の手取り収入に
・ 満足している 7%
・ 適当であると思う 25%
・ 不満 68% 

51 健康に自信はありますか?
・ ある 22%
・ どちらかといえばある 46%
・ どちらと言えばないない 25%
・ ない 7%

52 コンビニ経営を次世代の方に継がせたいと思いますか?
・ ぜひ継がせたいと思う 5%
・ 継いでもらいたいと思う 27% 
・ 継いでもらいたいとは思わない 68%

53 コンビニ業界を展望すると?
・ 明るい 2%
・ どちらかといえば明るい 35% 
・ どちらかといえば暗い 48%
・ 暗い 15%

54 あなたのお店の将来を展望すると?
・ 明るい 7%
・ どちらかといえば明るい 25%
・ 変わらない 32%
・ どちらかといえば暗い 27%
・ 暗い 9%

Ⅲ アンケート調査に対する考察・店舗経営について

 今年の世論調査に対して、加藤直美さんによる丁寧な解説が4カ所に亘って掲載されており、いずれも的を得た解説なので、重複しないように考察を述べたい。全体として悲観的な意見が10%程度の割りで増加したように感ずる。日本経済が回復して、バブル景気を上回る長期間の景気上昇が伝えられるのに、何故コンビニオーナーは暗い展望をするのであろうか。
 この課題が今年の「コンビニオーナー世論調査」の最大の課題であろう。これについては、最後にまとめで私見を述べたい。
 データの基礎は「月刊コンビニ」の定期購読者で、かつコンビニオーナーという条件であるから、多分昨年と大差はないと思う。同一人物が、昨年対比で悲観的見通しに10%も移動した原因は追究しなければならない大問題である。
 まず、本部の経営努力について「本部は加盟店の利益を高めるために努力をしていると思うか」という質問に対して、「努力が少し足りないと思う」「努力がぜんぜん足りないと思う」を合計すると58%と過半数に及び、昨年の50%と比較しても8%も多くなっている。この見解はスーパーバイザーの指導に対する評価にも同じような変化が見られる。「あまり満足していない」「満足していない」を合計すると86%に及び、昨年の40%に比較すると不満は2倍以上に増加している。
 コンビニ本部の加盟店に対する経営努力が低下したとは思えない。同様にスーパーバイザーの指導の内容の大きな変化が生じたとも思えない。
 コンビニオーナーの期待に各本部が応えきれていないのが実情であろう。
 「異業態との競争で自店にとって最も影響力が大きいもの」は、スーパーマーケットが46%で約半数であり、昨年とほぼ同じ数字(昨年は48%)である。特筆すべきは100円ショップなどの均一価格チェーンが24%(昨年は21%)を占めている。確実に均一価格チェーンがコンビニの競争相手になってきている。それに対してファーストフードチェーンは7%、持ち帰り弁当店は10%(昨年は合計26%で9%減少)と予想外に低い。昨年との同一比較には問題があるかも知れないが、マックの100円等の低価格競争はあまり感じないのか不思議である。
 マックや吉野家に元気が無い1年であったので、コンビニオーナーも、その辺は敏感に感じ取ったのであろうか。かってマックが平日半額65円バーガーを売った次代は「マクドナルドだけは隣に出店してもらいたくない」という意見が多かったが、ファーストフードチェーンを競争相手と考えているオーナーは激減している。
 「ショップ99のような、生鮮100円コンビニは」という質問に対しては、
「競争相手、共存する業態ではない」との意見が61%と過半数を占めている点は極めて重要である。100円コンビニの競争力が、コンビニの競争力を殺いでいるのであろう。100円コンビニが、有力コンビニチェーンの新業態として、大きく報道されているが、過半数のコンビニオーナーが「共存する業態ではない」と断じている辺りに、本部と加盟店の意識のギャップを感ずる。
 自店で生鮮品の扱いを拡充させたいとするオーナーは50%に達している。事実セブンーイレブンやファミリーマートでは、100円にこだわらず生鮮食品を一部の店舗で販売を始めている。果たして、本部のMD力のみで、十分な品揃えや、配送網が構築できるのかどうか、筆者には見えない部分もある。サークルKサンクスが「99イチバ」を新設するに当たり、ユニーと共同出資をするあたりを見ると、コンビニにはないMD力が必要かもしれない。
 「少子高齢化社会」を日々の仕事の中で実感すると応えたオーナーが42%と過半数に近い多数を占めるにも拘らず、その実感を品揃えに生かしていますか?との問いに対しては、「している」と答えたオーナーは22%にとどまっている。
 関連して、店舗運営に飛ぶが「あなたのお店で、最も増えてほしいお客様の層は?」という質問に対して、若い男性 14%、若い女性 36%合計50%(昨年は40%)に達している。それに反して、中高年男性 20% 中高年女性 17%(合計37%)に過ぎない。(昨年は47%)折角の「少子高齢化社会」の変化を感じながら、品揃えの変化や、客層の変化を生かそうとしない、オーナーの姿勢を不思議に思う。
 同じように「格差社会」や「下流社会」が進行しているといわれていることについて実感しているオーナーは36%、多少実感しているオーナーは33%で合計すれば69%の多数に達する。
 それを「どのようなときに実感しますか」との問いに対して、お客様をみたとき39%、商品の売れ方をみたとき33%、従業員との会話の中で9%合計81%が店舗内から見える変化で感じているのである。まさに社会の激動を予感しながら、店舗経営に生かしきっていないのではないかと感じられる。
 積極的に外回り営業を行うコンビニが増加しているが、この傾向には賛成か?との質問に対しては賛成11%(昨年は16%)どちらかといえば賛成35%%(昨年は34%)で、昨年に比較すれば、やや賛成派が減少している。明確に反対と答えたオーナーは21%で、昨年の16%に比較すると、反対派は明らかに5%増加している。
 外食で宅配に積極的に取り組んでいるのは、すかいらーくグループ、モスバーガー、ココ一番屋等であり、それなりの成果を上げていると聞く。外食の場合は店舗のピークと宅配のピークの時間帯が重なり、コンビニの外回り営業よりはるかに厳しいように考えているが、コンビニオーナーの営業姿勢に、やや守りの姿勢を感ずるのは言いすぎであろうか。
 今後、店舗数を増やしたいか?とする質問に対しては、「増やしたい」54%と過半数のオーナーが複数出店の意向を表明している。その目的は?の質問に対しては「オーナーの収入のため」72%で、他の要因を圧倒している。正直な回答であり、コンビニ店舗数の増加を予感させられる。

Ⅳ 店舗運営について

 オーナーとパート・アルバイトが定期的に「話し合いをする機会」を持つ「店内ミーティング」は必要だと思うオーナーが83%と圧倒的多数であることは当然であるが、中には「必要ない」4%、「どちらとも言えない」13%と店内ミーティングを不要視する意見があるのには、驚いた。パート・アルバイトが集まらない時代であり、ますます深刻化する。現在いるパート・アルバイトをやめさせない方策が一番重要である。
 パート・アルバイトの採用・確保に苦労しいますか?の質問に対しては、「大いに苦労している」61%、「多少は苦労している」33%で合計94%が苦労しているのに、パート・アルバイトとの「店内ミーティング」を不要視する意見が17%もあるのは、どうしたことであろうか。
 名前を覚えているお客様は、何人?という質問に対して、コンビニオーナーの人数は驚くほど少ない。20人までが62%で過半数に達している。昨年とほぼ同じ傾向であるが、コンビニの商圏は500メートル以内と狭いこと、予約商品で氏名を確認する機会が多いことなどから判断して、20名以下はあまりにも少なすぎると思う。あまり特定の顧客とのみ会話を交わすのも、如何と思うが、もう少し氏名を覚える工夫が必要ではなかろうか?
 チケット販売や収納代行など、サービス商品が増加する傾向についての質問に対しては、「もっとふやすべき」26%(昨年24%)、「精査して、売上が見込める商品のみふやすべきだ」50%(昨年57%)と、前年と比較して微妙な変化が見られる。
 電子マネーの増加予想に対して、売上高の変化に対する見通しについては、「売上の伸びが大いに期待できる」24%、「売上の伸びは、少しは期待できる」61%で前向きの意見が合計85%であり、明るい見通しを立てている。
 また、電子マネーによる「支払い」の増加は、店舗のオペレーションにとって、「レジ作業が大いに軽減できるので大歓迎」24%、「レジ作業が多少とも軽減できるので歓迎」45%合計69%が好意的意見であるのも、明るい話題である。

Ⅴ 商品展開について

 自チェーンのオリジナル商品に満足していますか?という質問に対して
「大変満足している」6%、「満足している」34%で合計40%が満足している。昨年の合計37%に対して3%増加しているが、反面「満足していない」という否定派が22%で、前年の18%より4%増加しているのは気になる。小売業の中でコンビニの最大の特徴は、オリジナルブランドである。不満足が4%増加している点には注目したい。
 実感として「新商品」の売れ行きは、以前より、「売れなくなった」が33%で、昨年の26%より7%増加している。「以前より売れている」が4%で、昨年の9%の半分以下に低下している。格差社会や、少子高齢化社会への不適応が、新商品の販売の売れ行きに影響しているのであろうか。
 具体的な新商品のカテゴリー別の魅力度は、恐ろしいほど大きな変化となっている。飲料(ソフトドリンク)は「魅力的になっている」12%、「ますますの努力が必要」が33%、菓子は「魅力的」が13%、「ますますの努力が必要」は32%、コンビニの生命線とも言うべき「米飯、調理麺・調理サンド」では「魅力的」が24%、「ますますの努力が必要」が38%である。
 まずますの評価を得ているのが「ビール・発泡酒・第3のビール」及び「カップ麺」の2カテゴリーのみである。日本のコンビニほど商品開発に熱心で、1年間に2千種類近い新商品を発売する業態は世界中にないと思っていたのに対して、最前線のオーナーの評価は厳しい。

Ⅵ  環境と生活について

 コンビニの「社会的責任」について、あなたのお店は地域社会に貢献していますか?との質問に対して、「積極的にしている」37%で、昨年の42%と比較すると5%も低下している。「できればしたくない」8%、「必要性を感じない」4%、否定派の合計は12%に及ぶ。昨年の調査では「できればしたくない」5%、「必要性を感じない」5%、否定派の合計は10%であった。これをわずか2%の差と考えてはいけない。否定派が増加すること自体が、反社会的であると思う。
 同じように「環境対策」について、「積極的にしている」 31%で、前年の41%より10%低下している。「必要性を感じない」は3%で、前年の2%を1%上回っている。環境に対する意識も著しく低下している。
 生活に対する調査でも、昨年比で大きく変化している。国内旅行について、この1年間で、1泊以上の閣内旅行をしたかという質問に対して、「していない」が48%であり、前年の43%に対して5%増加している。国内旅行をする余裕もないようである。
 実感としての仕事時間は、「非常に長いと感じる」が38%で、前年の25%と比較しても13%増加している。「多少長いと感じる」が28%で、昨年の41%より13%減少している。要するに「多少長いと感じる」から「非常に長いと感じる」に13%の人が移動したのである。
 具体的に1日平均、何時間、お店で仕事をしていますかとの質問に対して、「10~11時間」31%、「12時間以上」37%、合計68%のオーナーが1日10時間以上働いていると答えている。昨年は「10~11時間」が26%、「12時間以上」が34%で、合計60%のオーナーが1日10時間以上働いていると答えている。昨年比で1日10時間以上働いているオーナーは6%増加している。
 実感として睡眠時間は、という質問に対して「十分とれている」19%(前年23%)、「まあまあとれている」43%(前年25%)で、合計すると、「十分とれている」「まあまあとれている」が62%であるのに対して、昨年は合計54%であり、睡眠時間については余裕が生まれている。
 しかし、具体的な睡眠時間に対する質問に対しては6時間未満が37%であるのに対して、昨年は6時間未満が31%で、睡眠時間6時間未満は、現実には6%増加している。
 実感として休日は「じゅうぶんとれている」11%、「まあまあとれている」17%、合計28%であり、昨年は「十分にとれている」6%、「まあまあとれている」26%合計32%に対して、休日が「減少している」と考えるオーナーが4%増加している。
 現在の手取り収入について、「満足している」7%、「適当である」25%、合計32%が、満足派といえる。昨年は「満足している」10%、「適当である」39%で、合計49%が満足派であった。昨年比で17%の減少である。反面「不満」と答えたオーナーは68%で過半数を超えている。昨年「不満」と答えたオーナーは51%であり、満足派と不満派が半分ずつに分かれた。今年は不満派が68%であり、やはり収入が減少したのであろう。
 コンビニ経営を次世代の方に継がせたいと思いますかという質問に対しては、「継いでもらいたいと思わない」68%で、昨年の59%より9%低下している。コンビニの歴史も30年以上を経過して、次世代への事業承継が現実のものとなりつつあるが、次世代への継承については否定的な見解が多いようである。
 コンビニ業態の将来展望については、「明るい」2%、「どちらかといえば明るい」35%合計37%が楽観派である。同じ質問に対して、昨年は「明るい」4%、「どちらかといえば明るい」46%で合計50%が楽観派であった。逆に「どちらかといえば暗い」48%で、昨年の40%を8%上回っている。
 あなたのお店の将来を展望すると、「明るい」7%、「どちらかといえば明るい」25%、合計32%であり、昨年の「明るい」8%、「どちらかといえば明るい」49%、合計57%と比較すると、25%低下している。自店の将来を明るいと展望できるオーナーが25%も減少している点は、大いに注目する必要がある。

Ⅶ  まとめ

1. 店舗経営について

 景気が回復して「いざなぎ景気」の期間を抜くのは、ほぼ間違いないと連日新聞やテレビが報じている。しかし、個人消費の回復を実感しているオーナーは30%にとどまり、「回復基調にない」「むしろ悪くなった」と感ずるオーナーは70%に及んでいる。コンビニの既存店売上高が20ケ月以上前年割れをしている現実からすれば妥当な意見であろう。本部の加盟店利益向上のための努力とか、スーパーバイザーの指導に対する満足度も、著しく低下している。
 生鮮コンビニ(100円コンビニ)に対しては、「共存する業態ではない」との否定的見解が過半数を占めている。少子高齢化社会に対応する品揃えとか、「下流社会」に対する対応とか、個店レベルの対応を超えた変化に対しては、やはり本部側のきちんとした対応が必要である。特に生鮮コンビニを新業態として展開している本部は、加盟店に対する説明が行き届いているか再確認する必要があるだろう。決して、コンビニの将来を見限った訳ではない。複数出店の希望者が過半数に達し、オーナーの収入向上を期待している。

Ⅱ 店舗運営について

 最も増えて欲しいお客様は、「若い男女」が半数を占め、高齢化社会のリーダーである「中高年男女」は37%にとどまっている。
 パート・アルバイトの採用・確保には60%以上のオーナーが苦労している。
電子マネーに対する売上高増や、オペレーションの簡素化に対する期待は高い。いずれの局面も、個店の努力では限界がある。本部側の対応力が試される時代である。本部側の対応力の格差が表面化する年である。

Ⅲ 商品展開について

 自チェーンのオリジナル商品について満足しているかとの質問に対して、「あまり満足していない」「満足していない」を合計すると56%に及び、前年とほぼ同じ結果になっている。
 新商品に対する評価は厳しい。評価を受けたのは「ビール・発泡酒・第3のビール」のカテゴリーのみであり、「飲料」「菓子」「米飯・調理麺・調理サンド」は「ますますの努力が必要」と30%以上のオーナーが答えている。
 本部やメーカーは必死の努力をしていると思われるが、最前線のオーナーとの意見の乖離は大きい。お客様のニーズの変化に本部やメーカーが追いつけていない状況が見られる。

Ⅳ 環境と生活について

 昨年非常に高かった、「コンビニの社会的責任」や「環境対策」については10%近いオーナーが否定的見解を示している。これは、社会的責任や環境問題に無関心になったのではなく、それ以上に、売上高不振や慢性的疲労に関心が集まったのであろう。
 国内旅行の少なさ、店舗における長時間労働、睡眠時間の減少、休日の取り難さ、手取り収入の不満(68%)、コンビニ業界の将来の展望は暗い(63%)等コンビニを取り巻く状況は、あまり明るくない。
 しかし、店舗の過剰とか飽和という意見はなく、むしろ複数出店によってオーナーの手取り収入の増加を期待する意見が過半数を超えており、やりようによっては利益が伸びるとする期待も感じられる。
 コンビニが一様に伸びていた時代は既に5年以上前に終わった。新しいコンビニ像が待ち望まれる時代である。しかし、単純な新業態待望論でもない。生鮮コンビニに対して6割のオーナーが否定的見解を示している。
 コンビニ本部もここ1年が、本当に勝負の年であり、本部とオーナーの協力・連携が最も強く求められる時代の到来であり、本部の真価が問われている。

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