フランチャイズ時評バックナンバー

黒川孝雄の美

店長は管理職。しかし残業手当相当分は支払わねばならない。

 日本マクドナルド社が店長を管理監督者として扱い、残業代を支払わないのは違法として、店長A氏が会社を相手に未払い残業代等の支払いを求めた訴訟の判決で、東京地裁は1月28日、「店長の職務内容から管理監督者とは言えない」と断じ、同社に約750万円の支払いを命じた。
  筆者は、既に商業界「飲食店経営」5月号に「マクドナルド店長は管理職ではないとする判決が意味するもの」と題して、長文を載せたが、この文章に対する反響は大きく、大企業、中堅企業から多数のご相談、お問い合わせを頂いた。また、同誌には神田孝弁護士の論文、フードビズ32号の神山泉主幹の論文2編、サトレストランシステムズ重里社長の対談など貴重な文章が発表されたので、これ等を参考にして一部意見を補強する必要性を感じた。
  そこで、「FC市場レポート」を通して、広く世間に新しい見解を発表して、大勢の方からご批判を頂きたいと思い、今月号は上記のテーマにした。是非、大勢の皆様から建設的ご意見を頂きたいと思います。

Ⅰ 労働基準法上の管理監督者(以下管理職)とは?

 この判決は、外食業のみならずチェーン店展開をする小売業、サービス業にも多大な影響を与え、1ケ月以内に反応を示したり、法的検討に入ったり、相談を寄せる企業は実に多い。

1. 労働基準法の規定

 

 では、労働基準法では、どのような規定になっているのであろうか? 労働基準法32条1項で、労働時間は原則週40時間、1日8時間と定めている。勿論、例外業種や、変形労働、36協定による時間外勤務を認めているが、これ等に違反すると使用者は6ケ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課される。
  但し、基準法42条2項で「事業の種類に関わらず監督もしくは管理の地位にある者(一般的に管理監督者とよばれる。本稿では管理職とする)には労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用されない。(深夜労働時間は管理職にも時間外手当支払いの義務あり)そのため、労基法上の管理職は、労働時間の枠を超えて活動することが要請され、また、その勤務形態も労働時間の規制になじまない地位にある者と言える。  

2. 管理職として認定される3つの要件

 この適用除外については、裁判で争われる事例も多く、実務上も重要な問題になっている。問題は、管理職とはいかなる者を指すかであるかについて、明確な定義はない。
 管理職に該当するかどうかは、その名称(店長、課長、部長等)にとらわれず、職務と実績、勤務態様、その地位にふさわしい待遇がなされているか等、実態に照らして判断すべきであるとされている。(昭22・9・13基発第27号、昭63・3・14基発第150号)
 裁判例でも①部下の人事権や経営の重要項目について相当程度の決定権を持つこと②就業時間や職務遂行について相当程度の自由裁量を持つこと③賃金、諸手当て等についてその地位にふさわしい待遇を受けていることが、管理職の要件とされている。
 では日本マクドナルド店長A氏は、上記の3要件について、どのような実態にあったのか、以下判決文に従って検討してみる。

Ⅱ 日本マクドナルドのA店長はなぜ、管理職として認定されなかったか

1. 店長の権限等について

① 店長はアルバイトを採用して、その時給を決定したり、スイングマネージャーへの昇格を決定する権限や、クルーやスイングマネージャーの人事考課を行い、その昇給を決定する権限を有しているが、  将来、店長等に昇格していく社員を採用する権限はないし、アシスタントマネージャーに対する一次評価者として、その人事考課に関与するが、最終的な決定までには、OC(表―1参照)による二次評価のほか、三者面談や評価会議が予定されているので、店長は、会社における労務管理の一端を担っていることは否定できないものの、労務管理に関し、経営者と一体的立場にあったとは言いがたい。
② 店長は、会社を代表して、店舗従業員との間で時間外労働に関する協定(36協定の意味)を締結するなどの権限を有するほか、店舗従業員の勤務シフトの決定や、努力目標として位置づけられる次年度の損益計画の作成、販売促進活動の実施等について一定の裁量権を有している。
  しかし、店舗の営業時間の設定には、事実上これに従うことが余儀なくされるし、全国展開する飲食店という性質上、店舗で独自のメニューを開発したり、原材料の仕入先を自由に選定したり、商品の価格を自由に設定するということは予定されていない。
③ 店長は、店長会議や店長コンベンションなど会社で開催される各種会議に参加しているが、これらは、会社から企業全体の営業方針、営業戦略、人事等に関する情報提供が行われるほかは、店舗運営に関する意見交換が行われるものであって、その場で会社の企業全体としての経営方針等の決定に店長が関与するものではない。
④ 店長は、店舗運営において重要な職責を負っていることは明らかであるものの、店長の職務、権限は店舗内の事項に限られるものであって、企業経営上の必要から、経営者と一体的立場において、労働基準法の労働時間の枠を超えて事業活動をすることを要請されてもやむを得ないものと言えるような重要な職務と権限が付与されているとは認められない。

2. 店長の勤務態様について

① 店長は、店舗従業員の勤務シフトを決定する際、自身の勤務スケジュールを決定することとなるが、各店舗では、各営業時間帯に必ずシフトマネージャーを置くこととされているので、シフトマネージャーが確保できない営業時間帯には、店長が自らシフトマネージャーを勤めることが必要となる。
   店長は自らスケジュールを決定し、早退や遅刻に関して、上司であるOCの許可を得る必要はないなど、形式的には労働時間に裁量があると言えるが、実際には、店長として固有の業務を遂行するだけで相応の時間を要するうえ、店舗の営業時間帯には必ずシフトマネージャーを置かなければならないという会社の勤務体制上の必要性から、自らシフトマネージャーとして勤務することなどにより、法定労働時間を越える長時間の時間外労働を余儀なくされるのであるから、かかる勤務実態からすると、労働時間に関する自由裁量があったとは認められない。
② 店長は、会社の事業全体を経営者と一体的な立場で遂行するような立場にはなく、店舗責任者として、店舗従業員の労務管理や店舗運営を行う立場であるにとどまるから、このような立場にある店長が行う職務は、特段、労働基準法が規定する労働時間等に関する規制になじまないような内容、性質であるとは言えない。

3. 店長に対する処遇について

① 平成17年度において、年間を通じて店長であった者の平均年収は707万円(1千円以下は四射五入、以下同じ、表―2参照)、年間を通じてファーストアシスタントマネージャーであった者の平均年収は591万円(時間外割増賃金を含む)であった。この金額からすると、管理職として扱われている店長と、そうでないファーストアシスタントマネージャーの収入には、相応の差異が設けれているようにも見える。
 しかし、S評価(最上位の評価)の店長の年額賃金は779万円、A評価の店長の年額賃金は696万円,B評価の店長の年額賃金は635万円、C評価(最下位の評価)の店長の年額賃金は579万円であり、店長全体の10%に当るC評価の店長の年額賃金は、下位の職位であるファーストアシスタントマネージャーの平均年収より低額である。また、店長全体の40%に当るB評価の店長の年額賃金は、ファーストアシスタントマネージャーの平均年収を上回るものの、その差は年額で45万円程度に止まっている。  店長の週40時間を越える労働時間は、月平均39.28時間であり、ファーストアシスタントマネージャーの月平均38.65時間を越えていることが認めらるところから、店長の勤務実態を併せ考慮すると、店長の賃金は、労働基準法の労働時間等の規定の適用を排除される管理職に対する待遇としては十分であるとは言えない。
② 会社は、各種インセンティブプランを設けているが、これは一定の業績を達成したことを条件として支給されるものであるし、インセンティブプランの多くは、店長だけではなく、店舗の他の従業員もインセンティブ支給の対象としているのであるから、これらのプランが設けらていることは、店長を管理職として扱うことの代償措置として重視することは出来ない。

4. 結論

 日本マクドナルド社における店長は、その職務の内容、権限及び責任の観点からしても、その待遇の観点からしても、管理職に当るとは認められない。
表―1  日本マクドナルド社の営業ラインのランク付け(下から)

順位 名称
マネージャートレーニー
セカンドアシスタントマネージャー
ファーストアシスタントマネージャー
店長
OC(オペレーション・コンサルタント=一般的にはスーパーバイザー=SVと呼ばれる)
OM(オペレーションマネージャー)
営業部長
営業推進本部長

(東京地裁判決文より作成)

表―2  日本マクドナルド社の営業系社員の年額賃金

営業系社員の区分
年額賃金
ファーストアシスタントマネージャー(残業手当込み)
590万5057円
店長平均
707万184円
S評価の店長
779万2000円
A評価の店長
696万2000円
B評価の店長(店長全体の40%)
635万2000円
C評価の店長(店長全体の10%)
579万2000円

(東京地裁判決文より作成)

Ⅲ 日本マクドナルド社に対する判決と、その後の動き

 日本マクドナルド社店長A氏は、労働基準法第41条2項に定められた管理職では無いので、時間外割増賃金等2年分約503万円の支払いと、かつ付加金(労働基準法114条)として5割に当る252万円、合計約755万円の支払いを日本マクドナルド社に命じた。
 日本マクドナルド社はこの一審東京地裁の判決を不服として、1月29日に控訴した。
  しかし、日経新聞は、日本マクドナルド元店長3人が未払い残業代支払いを求めて3月中旬に東京地裁に提訴することが分かったと報じた。 日経紙によれば、未払い残業代として1人当たり約350万円(約1年9カ月分)の支払いを日本マクドナルド社に求める。その中の一人M氏によれば、都内のマクドナルド店舗に勤務。24時間営業の導入などでピーク時には月間174時間の未払い残業を強いられ「目まいなど体調の異変を感じた」と述べている。3人は日本マクドナルドユニオン(東京・港)など組合活動を通じて残業代の支払いを求めて交渉したが、2月22日の団体交渉で「会社側の見解に変更がないとわかり訴訟を決意した」としている。別の元店長数人も追加提訴を検討中という。(日経新聞、3月1日)
 一方、「豊田労働基準監督署(愛知県豊田市)は3月6日、日本マクドナルド元店長で愛知県内の50代の男性が脳梗塞などで倒れたのは、長時間の残業など過重な労働が原因であったとして、労災を認定した。勤務記録などから月80時間以上のの残業が続いていたと認めた。」(日経新聞、3月7日)
 このような環境下で、日本マクドナルドHDの原田CEOは2月26日の日経記者の取材に対して、08年度の全店売上高を6千億円に引き上げる目標を強調し、6千億円は通過点に過ぎないと強気の発言をしている。記者が「店長の残業問題が大きな懸念材料です。人件費負担が増えるとの指摘もありますが」と質問したところ、「裁判中だから細かくは言えないが、あれ(東京地裁判決内容)で全部(残業代)払えということにはならないはずだ。店長の平均年収は716万円と業界トップクラス。うちの給与水準で残業代を払えとなれば、世の中のサービス産業は成り立たない」と豪語している。(日経新聞、2月26日) この記事を書いた安部哲也記者は、「記者の目」のコラムで次のように書いている。{現役店長らが集まる日本マクドナルドユニオンは「24時間営業の拡大で疲弊しきった現場をもっと知ってほしい」と主張。ブレーンの9割を外部登用者で固める原田氏との距離感は開く一方だ。残業代の問題は対応次第で思わぬ火種となりかねない}
  極めて適切な指摘であり、筆者も同感である。何よりも原田氏は判決文を正しく読んでいない。判決文は、店長の平均年収は十分高いと評価しながら、C評価の店長(全体の10%)の年収は、部下と逆転している。またB評価の店長(全体の40%)の年収は、部下と僅かな差であり、「店長の賃金は、労働基準法の労働時間の規定の適用を排除される管理監督者に対する待遇としては十分であるとはいい難い」と断じている。また、判決文は問題点は待遇面だけではなく、「店長の権限等について」「店長の勤務態様について」実に細かく分析して、その上でいずれの面でも「労働時間等に関する規制になじまないような内容、性質ではない」と結論付けているのである。

Ⅳ この判決を受けて、各社はどのように動いたか

 この東京地裁の判決はチェーン経営を行う企業には大きな影響を与え、具体的な行動に移したり、法的検討や、人事制度の見直しを始める企業が多数出ている。

1. セブンーイレブンの対応

 セブンーイレブン・ジャパン社の対応は早かった。3月1日から直営店の店長は、管理職のまま、残業代を支払うように切り替えた。店長手当てを大幅に減らして、残業代を支払うことにしたのである。(日経新聞、2月7日)

2. 和食店カルラの対応

 和風レストラン「まるまつ」を経営するカルラは人事制度を見直し、来年3月をメドに店長に残業代を支払うことを決めた。店長手当てを大幅に減らし、残業代を支払っても、手取り額がほぼ同額になるようにする。(日径新聞、2月22日)

3. 紳士服青山商事の対応

 紳士服最大手の青山商事は、店長と本社に勤務する課長の全員900人以上を「管理監督者」から外すと発表した。また、これまで払っていなかった残業代と休日手当を4月21日から支払い、過去2年分の未払い分約12億円も払う。同業のコナカが労働基準監督署から是正措置を受けており、労働実態にあった待遇に変えるものである。(日経新聞、4月9日)

Ⅴ その他の報道

1. 病院の部長も「名ばかり管理職」

 滋賀県守山市の県立成人病センターで、管理職(部長職)の医師が、権限がないのに残業代が支払われていない「名ばかり管理職」の状態に置かれているとして、大津労働基準監督署が労働基準法に基づく是正勧告をした。大津労基署が調査したところ、部長以上の管理職の医師で、勤務終了後5~6時間の残業が常態化していた。月数回の夜間当直では、夜間診療や急患対策に追われ、当直が明けて深夜まで連続勤務する場合も多かったが残業代は支払われていなかった。一般の医師も同様の勤務状態にあり、36協定の締結書も提出されていなかった。同事業庁は「勧告を受けたのは誠に遺憾。今後専門家を交えて協議し早急に対応したい」と話している。(日経新聞、4月23日)

2. コンビニ元店長が残業代を請求・提訴

 コンビニ「SHOP99」の元店長S氏が「権限がないのに管理職として扱われ、残業代を支給されなかった」として、運営会社「九九プラス」(東京都小平市)を相手取り、未払い残業代と慰謝料など計約440万円の支払いを求める訴えを東京地裁八王子支部に起こした。(日経新聞、5月10日)

Ⅵ では「マクドナルド判決」を受けて、各社はどのように対応すべきか

1. 店長のポジションは重要である

 問題は外食固有の問題ではない。小売業、サービス業のすべての管理職に関わる問題点であり、この問題を外食業が置かれている現在の環境に基づく特殊な問題点であるとする理解は間違いであり、広く日本の社会に広がる悪しき慣行であるが、今回は店長職に絞って対応策を考えてみる。
 店長が管理職であるかどうかは、各社の経営判断で決めることであり、この判決に左右されるものではないと考える。
 しかし、チェーン店における店長の地位、役割、機能は極めて重要であり、安易に管理職のポストを外すことは慎重に考えるべきである。  各地裁(大阪、岡山、東京別件)では、店長の処遇として管理監督者の立場にはなく、時間外、休日出勤手当てを支給する判決が多数出ている。決して「マクドナルド店長の判決」は異例でも、意外でもなく、判例の流れを見ていれば、想定できた範囲の判決である。
 しかし、チェーン店における店長の職責は、判決はどうあれ、極めて大きく重要であり、事業を現場で牽引する原動力である。
 チェーン事業の売上を上げ、利益を実現できるのは店長と、その指揮下にある店舗スタッフの力量に掛かっていることは言うまでもない。本部スタッフは店長を支援し、助言することは出来るが、現実にお客様に接し、売上高を上げ、利益を創造するのは店長と、その指揮下にある店舗スタッフのみである。
 この店長の重要性を否定したり、店長の誇りを傷つけるような判断は行うべきではない。

2. 店長には管理職にふさわしい権限、待遇をするのが解決の本筋である

(1)店長の権限の強化

 店長を管理職として処遇するためには、東京地裁の判決文により、相当の権限を付与しなければならない。具体的には、社員の採用権、部下社員の人事考課権(第1次評定者であるが、5割以上のウエイトを負荷する等)、部下社員の人事異動権(少なくとも発案権)、店舗の修理・維持費の支払い決定権、会社方針決定への参加権(重要会議への参加権、発言権、一定の決定権)等が必要である。(現実的には、かなり難しい話である)

(2)店長の勤務態様の見直し

 管理職として待遇するためには、店長の勤務態様も大幅に見直さなければならない。ラインの長であり、シフトマネージャー等部下社員やP/A(スイングマネージャー、時間帯責任者等)にできる業務を兼任させては意味がない。管理職である店長は、極力ライン業務は社員、P/Aに任せ、店長本来の業務(シフト表の作成、販売促進案の立案、P/Aの採用、社員・P/Aの教育、業務の改善、改革、利益向上策の立案等)に専念する勤務態様に変更すべきである。勿論、店長が率先垂範して、部下社員やP/Aに店舗業務の模範を示し、一体となって経営効率を上げることも重要である。
  現実にはA店長のように不足する社員労働力やP/Aの代替要員として勤務するような勤務態様は許されないとするべきである。また、P/Aの採用はすべて店長の責任として、P/A不足は、店長が無能であるという発言や評価は、現在のP/A不足の中で、会社として取るべき態度では無いと思う。本部の責任としても、P/Aの確保に走ることが必要では無いだろうか。

(3)店長の待遇を改善する

 具体的な年収は、地域、労働時間の長短、業態によって様々であり、一律に年収何百万円以上という基準は決めがたい。元々、日本マクドナルドの店長の年収は極めて高く、バブルの時代には年収1千万円とも言われ、外食業界一番の高収を誇った時代があるが、今回公開されたマクドナルド店長の平均年収707万円は十分高い年収であると思う。
  しかし、裁判官は年収の絶対額よりも、部下であるファーストアシスタントマネージャーの残業代込み591万円と比較して、A氏(C評価店長、年収579万円)の年収は12万円低く、逆転していることを問題にしている。更に、 店長全体の40%を占めるB評価店長の年収は635万円であり、部下の残業代込みの年収と比較して、僅か45万円の差額に止まっているとしている。では幾ら差額があれば、管理職にふさわしい年収かは言及していないが、やはり判決文の論調(3の①)からすれば、100万円程度の年収差がなければ、管理職にふさわしい年収とは認めがたい雰囲気がある。
 年収の逆転は問題外としても、40%を占めるB評価の店長の年収を100万円以上の差にすることは、容易ではない。

3. 現実的な解決策

 店長は管理職である。ここをいじってはいけない。現在も管理職手当てを支払っているのが大半であろう。この管理職手当てを残業代(例えば30時間分相当)として、残業の有無に関わらず支払い、それを超えて残業が必要な場合は、別途残業代として{(実残業時間数―30時間)×残業手当て}を管理職である店長にも支払うのが一番分かり易いし、管理職である店長の権威を傷つけることにもならない。(フードビズ32号で、サトレストランシステムズの重里欣孝社長が実行している方法、「ズルして出した利益。その利益で得た成長。それに何の意味があるのか」参照)
 しかし、A店長の残業時間が月間100時間を越えている月も多々ある(「本日より時間外・退職金なし」光文社 田中幾多郎著)日本マクドナルドは異常と言うべきであろう。(ちなみに厚生労働省が過労死認定の目安とするのは、月間100時間の残業時間の長さである)しかも、すべての店長を平均すれば、月間39.28時間であり、部下の月間38.65時間を越えている(東京地裁判決文より)のも問題である。やはり24時間営業を、約3分の1の1381店(4月末日)の直営店で実現した無理が現れているのではなかろうか。

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