フランチャイズ時評バックナンバー

黒川孝雄の美

「フランチャイズ・ショー2009」を振り返る

 2009年3月10日より12日まで、東京都江東区有明の東京国際展示場「東京ビッグサイト」で、第25回「フランチャイズ・ショー2009」(主催:日本経済新聞社、特別協力:日本フランチャイズチェーン協会)が開催された。
 今年のフランチャイズチェーン出展社はフードサービス業49社(前年比1社減)、小売業22社(前年比5社増)、サービス業51社(前年比9社増)で、合計122社であり、前年比13社増の史上最大級の参加社数であった。
 ちなみに、フランチャイズ・ビジネスでは会社数ではなく、チェーン数で表現することになっているので、例えばダスキンは4チェーンの出展であり、長谷川興産は2チェーンの出展であった。このような計算方法を取ると、出展チェーン数は150チェーンを超えることになる。協会の発表した07年度のチェーン総数は1,246チェーンであり、実に12%のチェーンが出展した訳である。この出展チェーン数は史上最高級の数字である。
 更にビジネスパートナー募集19社(前年同数)、フランチャイズ支援ビジネス6社(前年比6社減)、フードサービス業支援サービス6社(前年同数)、フランチャイズ無料相談、情報、出版11社(前年比1社減)を合計すると164社で、前年比6社増である。西3ホール、西4ホール全体を借り切る盛会となった。
 昨年はホテルレストランショーの共催であったが、今年は3月10日は単独開催、11日、12日は健康博覧会との共催となり、フランチャイズ・ショー単独の集客力が試される年であった。3日間の入場者数は23,027人となり、昨年より9%程度の減少となったが、単独開催だけに、来場者は目的を持って来場され、熱心な来場者は後ほど述べるセミナーでは立ち見客が出る等例年とは違った客層であった。
 今年は10小間が最大の規模であり、眼鏡のオンディーズとダスキンが目立ち、フードコートも1面であり、昨年と比較しても世界的不況の影響は免れない事実である。
 例年同様、日本フランチャイズチェーン協会の正会員の出展は少なく、ベンチャー的なフランチャイズ本部が目立った。また新規出展が多く、継続的出展が昨年同様少ないことも目立った年である。

2.フードサービス業

 出展社49社(うちフードコート5社)のうち、新規出展社が実に22社に登った。逆に老舗フランチャイズ本部としてダスキン、モスバーガー、小僧寿司等の出展も見られた。結構新陳代謝の激しい業界である。
 ラーメン7社は昨年と同数であるが、業種としては最大の出展社である。今年はフードコートへの出展は1社もなく、フードコートを作ってから始めての現象である。ラーメンは日本人の国民食的人気業種である。続いて多いのは宅配、弁当、持ち帰り寿司等が6社で、昨年より1社増であり、高齢化社会を実感させる現象である。
 アイスクリーム・ソフトクリームは4社で、昨年より1社増加である。市販のアイスクリームも市場規模が拡大しているのは、年中暖かい住宅環境の整備と、大人向けアイスクリームの開発が功を制したのであろう。カフェは4社で昨年より2社増加である。カフェブームを感ずる。粉物と呼ばれるお好み焼、たこ焼きは3社で、昨年より3社減である。
 しゃぶしゃぶ、すきやき等鍋物が4社であり、いずれも低価格で、焼肉屋が爆発的に増加した時期を思い起こさせるものがあり、今年の特徴である。
 フードコートは5社であり、昨年より7社減である。やはりフードコートは食事を出すことに勢力が奪われがちであり、肝心の加盟希望者との商談が思うように進まなかったからであろう。
 一際目を引いたのは、物語コーポレーションの8小間出展である。ダスキンと並んで、フードコートの前面という好立地もあるが、1日5回の講演は、すべて満席で埋め尽くし、講演の後、ラーメン、お好み焼を試食させる仕組みの良さは抜群であった。
 規模も必要であるが、このような仕組みに作り上げるために5年以上の歳月を掛けて、毎年毎年ブラッシュアップをし続けた成果であろう。今後出展されるフードサービス業には良い刺激となったであろう。
 4年前にブームを呼んだライセンスビジネス(パッケージ販売のみで、継続的指導やメニュー開発を行わない擬似的FC)は、今年は1件の出展も無かった。やはり一時的ブームであり、継続的指導や商品開発を伴わないビジネスモデルは大きく成功することはない証明であろう。たまたま会場に来合わせた大手フランチャイジーの社長にライセンスビジネスの様子を聞いたところ、「我々には、商品開発や仕入れを行うノウハウは無い。フランチャイジーに徹する」との回答であり、これでライセンスビジネスの生命の終わったことを感じた。

3. 小売業

 小売業22社の出展は昨年比5社増である。新規出展は16社であり、7割以上が新規出展である。
 リサイクル、リユースは循環型ビジネスモデルであり、時代を反映して7社出展であり、昨年より2社増加である。
 絵画、インテリア、花など僅かなお金で生活を楽しむ業種が3社出展である。昨年は0であったので、現在のような不況、失業者増加の時代に、せめて花でも飾って生活を楽しみたいという風潮が出ているのであろうか。
 逆に年間数千店を出店するコンビニは1社も出店していない。昨年まで大手コンビニ1社が定例的に出展していたが、今年は出展が無かった。これはコンビニの出店形態がC型と呼ばれる300万円程度の投資で済む形態に変化して、このフランチャイズ・ショーの来場者とは合わなくなったのであろう。

4. サービス業

サービス業の出展社は51社であり、史上最大の出展社数であり、一番時代の動きを反映しており、サービスフランチャイズの時代の到来を予感させる。新規出展社が26社であり、サービス業の過半に達するのは、新しいビジネスが生まれてくる反面、消えていくチェーンも多いことを予想させ、新旧の交代の激しい業界である。
 サービス業、フードサービス業、小売業とも新旧交代が激しいが、このショーに出展する以上、少なくとも3年以上連続出展しないと意味がない。結局出展しても加盟店の開発につながらないため、次の年度から出展を止めるのであろうが、フランチャイズ・ショーに出展すれば加盟店が確保できるほど甘くはない。フランチャイズ・ショーへの出展は、加盟店希望者の名簿を相当枚数集めるのが目的であり、簡単に加盟者が出てくる訳ではない。事業説明会を開催するための名簿作りの手段として極めて有効であり、この場で加盟店が決定するものではない。
 今年最大の出展社数を誇る業種は学習塾・各種学校であり10社に登る。昨年に比較すれば4社減である。特に個別学習塾が増えているのは、生徒のニーズと料金の大衆化が寄与したのであり、大手既存学習塾も個別学習塾に新規参入しており、少子化の中での成功事例である。「ゆとり教育」の見直しが、個別学習塾の成長につながったのであろう。塾は、学校教育の補完施設から、今では公教育が失った機能まで求められている。教室数の増加は知名度の上昇と、教育ノウハウの蓄積となり、個別学習塾の中で一段と格差が拡大しているように思われる。
個別学習塾の大きな特徴は法人・複数フランチャイジーが多いことである。明光義塾のデータによれば、次の通りである。

開設教室別オーナー数
平成20年8月末現在
1教室オーナー
217人
2教室オーナー
96人
3~9教室オーナー
119人
10~19教室オーナー
18人
20教室以上
10人
合計
460人
2教室以上開設オーナー比率
52.8%
最高 50教室
年商 21億円
 (明光義塾ビジネスモデル説明書より、08年8月現在)

続いて多いのはエステ・フィットネスで7社であり、昨年より1社増加である。美容・健康というキーワードは人類永遠の願望であり、何時の時代でもニーズが高いのであろう。
介護・福祉チェーンは4社であり、昨年の0と比較しても格段の増加である。介護保険の見直し(人件費3%アップ)、極端な人手不足に対する若干の緩和などの影響であろうか。
3年前に全盛を極めた複合カフェは2社の出展であり、昨年対比1社減である。市場が縮小に転じたのであろう。2006年調査では59.6%の増加、07年調査では15.3%の増加が、08年調査では一転して2.0%減少に転じた。複合カフェは投資額が1億円と大きいこと、「ネットカフェ難民」等の風評被害で新規加盟店の募集が思うように進まなかったこと等が減少の要因と思われる。今後、業界の再編、淘汰が進み、勝ち組と負け組みが明らかになると思われる。 
 個別学習塾、エステ・フィットネス、介護・福祉、複合カフェ等時代が求めるニーズが出展社の増減に反映されている。
 フランチャイズ・ショーは時代を映す鏡の一面がある。

5.セミナー

 フランチャイズ・ショーのセミナーも見逃せない重要なものである。今年のセミナーはオープニングセミナー(無料)、フランチャイズ本部・新規ビジネス立上げセミナー3本(会費1万円)、特別セミナー(無料)、フランチャイズ加盟希望者向けセミナー12本(無料)、クロージングセミナー(本年より新設、無料)の5本立てであった。
 オープニングセミナーは協会の土方会長のご挨拶、筆者の「フランチャイズ業界の最新動向」に始まり、モスフードサービスの代表取締役社長兼CEO桜田厚氏の「モスバーガーの経営理念」と題するもので、モスバーガーの考え方、ブランド戦略、今後の経営戦略、モスのフランチャイズ、まとめの5項目について約45分の講演があった。
 その後(株)ハードオフコーポレーション山本善政代表取締役会長兼社長の「当社の経営理念とFCビジネス」と題する講演が行われた。詳細を報告する。

(1)会社案内

 私の血液型はAB型である。ある人の本によれば、倒産会社の社長の血液型はAB型が一番多いそうである。私も12~3年前に倒産しかかったことがある。現在はハードオフを中心に618店舗を展開している。全国1千店の目標が見える処まできた。本社は新潟県新発田市にある。
 昨年度の全社売上高(加盟店売上高を含む)418億円であった。日本全国のリユース(再利用)市場は4,300億円であり、当社は約10%のシエアーを保有している。リユース会社で上場(新興市場を含む)しているのは12社である。東証1部指定はブックオフと当社の2社のみである。ブックオフと混同されることもあるが、別会社であり親密な仲である。
 オーナー数は43社で、1社平均11店舗である。直営は110店舗で、うち29店舗がブックオフの加盟店である。逆にブックオフがハードオフの加盟店として13店舗展開している。ハードオフ、ブックオフのダブル加盟店が14社である。ブックオフとの資本関係は5%程度の出資である。
 当社は無借金会社であり、自己資本比率は92%の高さである。日経新聞社の調査によれば、わが社の経営安全性は92位であるそうだ。
 私は元々、オーディオ、パソコンを扱う「黒物家電」の店を5店舗ほど経営していた。ブックオフの創業者である坂本氏はオーデイオの関係者であった。坂本氏がブックオフを創業し、私はハードオフを創業した。
 ここで明記しておきたいことはリサイクルとリユースは別物である。リサイクルとは原料に戻して再活用することである。リユースは再利用であり、地球環境への負荷を考えても徹底的にリユースして、これ以上使えないところでリサイクルするのが一番いいことである。
 09年4月に上場12社で日本リユース協会を立ち上げる予定である。わが社はリユース事業のリーディングカンパニーを目指す。ハードオフの主力取り扱い商品はパソコン、オーディオである。

(2)時代の認識

 15年前の黒物家電の新品を販売していた時代に売上高が半減した時があった。在庫を叩き売って凌いだ記憶がある。
①エコロジーとエコノミーの共生時代
 15年前にはエコロジーという言葉が日本には定着していなかった。エコはギリシャ語で、オイコスが語源である。エコからエコロジーとエコノミーに分かれたもので、元に戻っただけである。
②スピード
 時代の変化のスピードは年々速くなっている。ドッグイヤー→マウスイヤー
→リアルタイムと速くなっている。
③ルール
 20世紀は野球のルールであった。
 21世紀はサッカーのルールの時代になった。ルール違反があれば、イエローカード2枚で退場、レッドカード1枚で退場を命じられる時代である。
④コンプライアンス、ガバナンス
 ガバナンスの効いた会社にしなければならない。環境に対する配慮、雇用の安定、納税をキチンとするビジネスかどうかが問われている。

(4)経営理念へのこだわり

経営理念は次の4つのテストである。
1 社会のためになるか  2 お客様のためになるか 3 社員のためになるか 4 会社のためになるか
 優先順位は1→2→3→4であり、4条件の全てを満たしていなければならない。過去の経営は4条件を満たしていなかった時代があった。機会ある毎に、4つのテストで自問自答している。
(4)ビジネスモデル
 家電量販店の時代は薄利多売をやっていた。これでは駄目である。売上が少なくても利益が出る厚利小売(こぅりしょうばい)が本当のビジネスである。
 理論的に考えると
 ハイコスト・ハイリターン
 ハイコスト・ローリターン
 ローコスト・ローリターン
 ローコスト・ハイリターン
 4つのパターンがある。最後のローコスト・ハイリターンが厚利小売である。
 この厚利小売が成立する条件は次の通りである。
 価格決定権を持つこと。考えてみれば、家電量販店の時代は大手電気メーカーの奴隷であった。月末に納入された商品を翌月10日に支払う条件であった。商店経営者は1人3役のローコスト経営に徹しなければ駄目だ。私は社長だから1人10役をこなしている。
 キーワードはお客様の困っていることを解決することである。不要なものを無理矢理に売ると無理をする。
 和菓子屋さんはシャッター街で生き残っている唯一の業種である。仕入れ、製造、販売をしているから生き残れたのである。小売業のユニクロがモデルである。仕入れ、生産、販売をすれば価格決定権が我々にあり、粗利70%のビジネスが出来る。

(5)ハードオフのビジネス

 生きるか死ぬかの瀬戸際で、この事業を始めた。普通の電気店は困っていた。全国の家電量販店さんがフランチャイジーになってくれた。
 一番大切なことは経営理念の共有である。200社の家電量販店がFCを希望されたが、手を握ったのは40社である。財務諸表を見せてもらえば、粉飾決算は見抜ける。
 迷った場合は止めるべきである。奥さんの意見を聞くとよい。その忠告が効くのである。

(6)強い会社・店舗・組織

 そうじ・あいさつが出来るかどうかで99%決まる。出来ていない本部は止めた方が良い。そうじ・あいさつが出来ていない会社は利益が出ていない。
 ディズニーランドはそうじ・あいさつである。両方が出来ると成功する。
特別セミナーは3月11日13:30分より16時まで「法人・複数フランチャイジーの戦略に学ぶ」と題した中小企業診断士東京支部FC研究会の3年間に亘る研究の成果を基礎にして、基調講演とパネルディスカッションから成るものであった。基調講演は中小企業診断士の溝口晃子氏による「法人・複数フランチャイジーの実態と将来性」であり、フランチャイズ本部の調査(06年度、31本部)と法人・複数フランチャイジーの調査(08年度、66フランチャイジー)からの詳細な報告であった。法人フランチャイジーの増加が言われているが、殆ど実態に迫る調査・研究が無い中で、その売上高は9兆6千億円程度と推定し(勿論、多くの前提は仮定の上に成り立つ)、わが国のフランチャイズ全市場20兆円の48%程度と推算している。公的調査がある訳ではなく、すべて推定の上で計算されているが、一つの叩き台として聞く価値はあるだろう。特に加盟本部に対する満足度は7割以上に及び、かなり高い満足度であると結論付けている。今後の展望として「現在加盟本部の店舗増」が53%、「新しいFC本部加盟検討」は19. 7%、「現状維持」が22.7%であり、FC本部としても聞き逃せない内容であった。
パネルディスカッションは中小企業診断士西野公晴氏がコーディネーターを勤め、斉藤良徳氏(サブウエイ加盟11店舗)、中沢克也氏(カーブス加盟8店舗)、堀内勲氏(ファミリーマート加盟11店舗)の3氏をパネリストとして、それぞれの「わが社の経営戦略を語る」という内容であり、こちらは複数出店を目指すフランチャイジーに是非聞いてもらいたい内容であった。
 またフランチャイズ加盟希望者向けセミナーは12本あり、中でも初日に行われた中小企業診断士高橋 利忠氏の「加盟ステップ別の成功ポイント~加盟プロセスの全体像を把握しよう」は濃い内容の講演であった。簡略に述べる。(1)フランチャイズ加盟のステップ
(2)第1ステップ 自己(自社)分析とFCの理解
(3)第2ステップ 情報収集と業種・業態の選択
(4)第3ステップ 本部情報の収集と絞込み
(5)第4ステップ 本部の評価・選択
(6)第5ステップ 最終決断と加盟契約締結
 このレジュメには「セルフチェックリスト」「本部評価のチェックポイント30」等多数の資料が加えられているのが魅力的である。
 最終日(12日)に行われたクロージングセミナーは、筆者の「今年のFCショーに見るFC業界の今」と、オートバックスセブンの住野公一相談役による「わが社のフランチャイズ戦略」の2部構成であり、住野氏の講演は、日本のフランチャイズ・ビジネス発展史であり、創業者と二人三脚で展開された同社の歴史の生き証人の講話であった。
 今年のセミナーはいずれの会場も例年と比較して大勢の参加者があり、その熱心な聴講態度が時代を反映していたように思える。

6. ガイドブック

 今年からフランチャイズ・ショーのための「ガイドブック」が日本経済新聞社の手で作られた。これは、フランチャイズ・ショーを見学する上で非常に参考になる優れたテキストであるので、詳細を報告したい。
 従来は「JAPAN SHOP」等と併催で、出展社名と簡単な事業内容が紹介されるパンフレットであった。昨年は単独開催のため、このパンフレットも作成されず、ポスター並みの大きさの出展社紹介と会場全体の小間割表とセミナー紹介に止まり、筆者には不満が残った。
 しかし、今年のガイドブックは優れている。まず会場案内図と出展社一覧、セミナー一覧が示されている。
 次に「必見 会場でのチェックポイント」として6項目が並べられている。
1 気になるFCを5~6社選ぶ
2 各種セミナー、ワークショップは要チェック
3 本部への質問を絞り込む
4 目指すFCのブースをチェック
5 全般的に会場をチェック
6 プロの意見を聞き出す~最後に寄りたい無料相談コーナー
 ツーウエイコミュニケーションズの松本陽子社長の企画・構成であるが実に要領よくまとまっている。
 次に「FC早見表」のページとなる。これも優れものである。フランチャイズのフードサービス業、フードコート、小売業、サービス業に分けて標準開業資金別に黒丸を打ち、更に「募集中の加盟者」として法人、個人、法人および個人に3区分して黒丸を打ってある。非常に分かりやすいし、出展案内ページまで記載してある。これほど有用なガイドブックは見たことがない。ビジネスパートナー募集の企業にも同じような黒丸が打ってあり、分かりやすい。
 続いて出展社紹介があり、その後「先輩加盟店に聞く、不況下を勝ち抜く加盟店の智恵」が続く。
 更に「加盟店が語る FCの魅力と成功のツボ」として10店が紹介され、それぞれの下段にデータ欄が設けられ、加盟者概要、店舗概要、経営実績表が示されている。ライターの書いた記事であり、内容も豊富である。最後にライター2名の紹介があり、記事の書き手まで分かるように工夫されている。
 とにかく、素晴らしいガイドブックであり、来年以降も是非続けてもらいたい。更に希望を言えば「入場者にはガイドブックを無料配布するので、参考にするように」と新聞広告欄にも入れてもらいたい。
 参加者から「フランチャイズ協会」に対して「どうやって会場を回ったら良いか?」等の質問が寄せられたそうなので、是非事前に告知して「ガイドブック」通りに会場回りをするように知らせて頂きたい。

7. 参加企業と主催者への提案

 最後に参加企業と主催者に次の提案をしたい。

 ①フランチャイズ・ショーへの参加は最低3年連続出展すること
 1年という短期でフランチャイズ・ショーの成果を計算してはいけない。知名度の低い会社が、フランチャイズ・ショーに出展していきなり加盟店が取れる訳がない。せめて3年間、連続して出展しなければ成果も効果もない。1度出展すれば、お客を集めるブースと集められないブースが分かるはずである。何故お客が集まるかを考えてもらいたい。先輩企業は最初からお客が集まったわけではない。改良に改良を加えて、成果を挙げている。最低3年間は出展しないと、そこのノウハウが取得できない。
 ②フランチャイズ・ショーへの出展の意味
 フランチャイズ・ショーへの出展は、その場で加盟店を確保することが目的ではない。加盟希望者(もしくは注目してくれた人)の名簿を集める場である。直接面談できる場なので、電話やメール問い合わせよりはるかに会社の実情を理解してもらいやすい場である。名簿収集が主目的であり、出来るだけ沢山の名刺を集めることが目的である。
 ③事業説明会への動員
 事業説明会を開催しないフランチャイズ・ショーへの参加は殆ど無意味である。名刺を集めたり、事業説明会への参加申込書に記入してもらうことが、ショーの主目的である。従って、事業説明会の案内書を同封しない出展社は、出展しても意味がない。今年の筆者によるチェックでは、事業説明会の案内書が同封されていたのは、参加者の半数に満たない状況であった。
 ④主催者へのお願い
 世界的な大不況の中での単独開催で、23、000人の来場者を確保できたことは成功である。今年の来場者は実に熱心であった。初日のオープニングセミナーでは立ち見客が30名ほど出たし、最後まで聞いてもらった。真剣であった。加盟相談でも個人商店からFC加盟に転換したい等の相談が多かった。
 今年の小間割は整然としており、動線的にも動きやすかった。どうしてもフードコート回りにお客が集まるのは、やむを得ないが、日本で唯一のフランチャイズ・ショーになるかもしれないので、来年に向けて参加社にも来場者にも満足してもらえる工夫を一段と凝らして頂きたい。

本文の無断引用は禁止いたします