フランチャイズ時評バックナンバー

黒川孝雄の美

法人・複数加盟社の現状とその規模の推定

 (社)中小企業診断協会東京支部FC研究会(代表・西野公晴氏)は「法人 ・複数加盟者に関する調査」を06年(本部調査)、07年(加盟社調査)、08年(拡大した加盟社調査)と3年間に亘り行い、09年3月に「法人・複数加盟者に関する調査報告書」を刊行した。過去3年間の調査をまとめたものであり、210ページに及ぶ浩瀚な報告書となった。筆者も、その1員として3年間調査を行ってきた。08年4月号の「FC市場レポート」に06年、07年調査を基礎にして「法人・複数フランチャイジーの将来性」と題して既に報告している。(08年フランチャイズ・ショーでの講演録)  しかし、08年度の調査は全国に及び、かつ複数加盟社数も66社に増加して、その内容も著しく精緻になった。改めて「FC市場レポート09年6月号」として、その一部を発表する。この調査は18名の中小企業診断士や税理士の合作であるが、本稿はその成果を調査報告書から引用するが、最終的な判断は筆者が行ったものであり、この文章の責任はすべて筆者が負うものである。

Ⅰ 何故、今、法人・複数加盟社が重視されるか?

1. 法人・複数加盟社の定義

 今回「法人・複数加盟者に関する調査報告書」をまとめたが、詳細に入る前に「法人・複数加盟社」の定義をする。(加盟者と加盟社に書き分けていることにご注目頂きたい)
フランチャイジーの区分

  名称 店舗数又は売上高 組織形態
個人フランチャイジー 1店舗のみの加盟者 個人・法人
複数加盟社 2~15店舗程度、若しくは売上高1~15億円程度の加盟社 法人
メガフランチャイジー 店舗数30店舗以上、若しくはFC部門売上高20億円以上の加盟社 法人
エリアフランチャイザー 本部との間でエリアフランチャイズ契約を締結した会社 法人

 単純に法人・複数加盟社と呼べば、2~4まで法人格を有する加盟社は法人・複数加盟社である。
 しかし、今回の調査で「法人・複数加盟社」として調査したのは、2.の複数加盟社である。3. メガフランチャイザーについては、04年、05年の研究チーム(座長・杉本収氏)で、調査・研究を行い2006年3月に「成功するメガフランチャイジー」(同友館)として出版した。上記のメガフランチャイジーの定義は同誌で行ったものであるが、幸い、この定義は広く社会から受け入れられ、「メガフランチャイジー」と言えば、この定義が一般的に用いられるようになった。
 では4. のエリアフランチャイザーとは何か。エリアフランチャイザー、エリアフランチャイジー、サブフランチャイジー、地区本部等様々な名称が用いられているが、取りあえず、エリアフランチャイザーと統一して検討してみる。エリアフランチャイザーとは、本部と事前に契約して、特定の地域において、一定の期間内に、事前に約定した店舗数を、直営もしくは加盟店の形で出店することを認める形態を指す。(アメリカでは異なる定義を使用する人もいるが、日本のフランチャイズ業界では、一般的に上記の定義で用いられている)
 ここまで述べると2. 複数加盟社とは、1店舗フランチャイジーでもなく、メガフランチャイジーでもなく、エリアフランチャイザーでもない、複数加盟社であることが分かる。

2. 法人・複数加盟社が重視される時代背景

 「成功するメガフランチャイジー」では、109社のメガフランチャイジー及び予備軍に対してアンケートを行い、31社から回答を得てアンケート分析を行った。弊社のHPでは、2006年4月号に「成功するメガフランチャイジーを招介する」で、メガフランチャイジーの数は凡そ140社と推定したが、その後オートバックス、ブックオフ等の取材を通して、現在では飲食系100社、その他100社、合計200社程度と推定している。
 日本におけるメガフランチャイジーはせいぜい200社止まりと推定すると、メガフランチャイジーの市場支配力には限度がある。仮に1社40 億円の平均売上高としても、メガフランチャイジーの全売上高は8 千億円程度であり、20兆円を超える日本のフランチャイズ業界の4%程度の市場占有率と推定される。
 これに対して法人・複数加盟社の法人数は19 千社を超え、その売上高は9兆6千億円となり、市場占有率は48%程度と推定される。(計算は後記、但し、すべて推定であることはお断りしておく。)
 06年に行った本部調査では、個人加盟者が「減少している」「減少も増加もしていない」と回答した本部が8割を超える結果であった。
 FC本部の複数加盟社に対するアンケートでは、複数加盟社を「推奨しない」と答えた本部は1社(3.3%)のみであり、積極、消極併せて97%の本部が法人・複数加盟社に期待をにじませていた。  更に、複数加盟社に優遇策を講じている本部は8割以上であり、講じていないとする本部は19%程度であった。次に、複数加盟社を推奨する理由を本部に尋ねてみた。
複数加盟社を推奨する理由

複数店を推奨する理由
件数
回答率(%)
複数出店すれば、加盟店はオペレーションに慣れ、一般的に生産性が高くなるから 19 63.3
複数出店すれば、加盟店が企業として成長することが可能である 19 63.3
複数出店すれば、安定した資金力を持ち、一時的な赤字に耐えられるようになるから 14 46.7
単独オーナーより資金力や人材面に優れており、今後も出店可能 10 33.3
複数出店すれば加盟店は仕事に習熟して今後の本部の指導が軽減 8 26.7
オーナー数は一定限度限られていた方が、本部の意思の徹底可能 3 10.0
複数出店社の存在は、自チェーンのイメージアップにつながる 3 10.0
生業的加盟店のみでは、当社の発展が期待できないから 1 3.3
その他 2 6.7
 合             計 79  

 この回答を見ると、本部は複数加盟社に対して高い期待を述べている。「生産性が高くなる」63.3%(19件),「企業として成長する」63.3%(19件)、「資金力を持ち、一時的赤字に耐えられる」46.7%(14件)、「資金、人材面で優れ、今後も出店可能」33.3%(10件),「本部の指導が軽減できる」26.7%(8件)と、法人・複数加盟社に対する期待と、自チェーンの都合の両面から強い期待を寄せていることが分かる。02年~08年前半に至る「好況感なき日本経済上昇期」においては、FC事業は極端な人手不足に見舞われ、個人加盟者の減少、従業員不足の中で法人・複数加盟社への期待が高まっていった。一面、地域の中堅、中小企業でも、現在の事業の枠の中での維持・存続・成長に対する不安があり、FC加盟も選択肢に入れて検討する企業も増加した事実がある。
 最近の事業説明会の開催を見ていても、個人向け説明会は集まりが悪く、法人向け説明会は参加者が多い傾向が見られる。
 時代は個人加盟者から法人加盟社へ大きく転換しようとしているように思われる。これが、法人・複数加盟社が重視される時代背景である。

Ⅱ 法人・複数加盟社の現状

1.法人・複数加盟社が台頭した歴史

 日本に本格的にフランチャイズ・ビジネスが台頭した歴史は1970年からである。70年と言えば大阪万博が開催された年であり、日本経済は高度成長の真っ只中にあった。加盟者の複数出店が始まったのは第一次石油ショックの75年ごろである。「成功するメガフランチャイジー」の中で、第一世代のメガフランチャイジーの台頭の時期として、吉野家が、加盟者は店舗の内装、外装、厨房機器のすべてを用意し、店長や従業員は吉野家から派遣する「業務委託システム」が1974年からスタートを切ったと述べている。
 事実、第一世代のメガフランチャイジーを多数輩出した吉野家、ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)、ダスキン、オートバックスセブン等は、会社の加盟店拡大戦略として複数加盟社政策を採用した。この事実を典型的に表現する言葉がKFCの富田社長(当時)により「月刊食堂」で語られている。
「オーナー数が増えるとコントロールが難しくなる。管理費もかさむ。またKFCの理念を理解してもらうには、多数よりも少数の方が良いことは明らかである。もう一つの理由は、やはり事業として面白味は5店舗以上ないと十分出てこない。従業員の働く意欲もかきたてられ難い。これは最初から戦略としてやってきたのである」(山口康太著、桂林書房刊「ケンタッキー・フライド・チキンの奇跡」より引用)
 この富田社長(当時)の言葉こそが、法人・複数加盟社の誕生を企業戦略として採用したことが明確に示されており、上記の4社のいずれも同じ意向の下に複数加盟社を拡大していったのである。しかし、本格的に法人・複数出店社が増加しだしたのは、筆者の見解では21世紀に入ってからであると思う。筆者は商業界出版の「飲食店経営」に10年間にわたり「FCの成功者たち」を連載し、毎月1回飲食店FCの成功者として本部が推薦する加盟者に面談・取材して記事にしている。(09年12月号までの予定)最初は、個人が飲食フランチャイズに加盟して成功した事例が多かったが、03年ごろより法人成りした加盟者が増えだし、06年ごろからは他の事業から新規に外食事業に進出し、成功された事例が増加しだした。正に法人・複数出店社がフランチャイズの主体になりつつある時代を肌身に沁みて感じずにはいられなかった。
 我々は,08年度に法人・複数出店社66社のアンケート調査を行い、その結果をまとめた。その調査で次のような興味深い回答が寄せられている。

加盟1号店の開業年(単数回答)

加盟1号店の開業年 会社数(社) 構成比(%)
1     ~1959年 0 0.0
2 1960年~1969年 1 1.5
3 1970年~ 1979年 4 6.1
4 1980年~ 1989年 10 15.2
5 1990 年~1999年 15 22.7
6 2000年~ 24 36.4
7 無回答 12 18.2
合         計 66 100.0

上記の表を見ると法人・複数出店社がFC業界に進出を図ったのは、第一世代のメガフランチャイジーよりやや遅れて1980年代より今日までの30年間であるが、特に2000年以降に急増しており、本格的に法人・複数出店社が目立つようになったのは、21世紀に入ってからの最近の動向であることが理解できる。

2. 法人・複数出店社の意向

 66社に対するアンケートの中に、複数出店のメリット・デメリットを問う質問がある。その回答は次の通りである。

 複数出店のメリット・デメリット(複数回答)

 
回 答 内 容
件 数
回答率(%)
1 複数出店により店舗オペレーション等に慣れ、生産性が高くなった 38 57.6
2 複数出店により、家業から企業に進展した 24 36.4
3 複数出店により信用力が増し、融資が受け易くなった 15 22.7
4 複数出店すると、人材の採用が深刻になり、デメリットが大きい 6 9.1
5 複数出店すると、オペレーションが煩雑になり、経営管理も難しい 10 15.2
6 複数出店すると、費用が増え、経営効率が悪化する 11 16.7
7 その他のメリット 8 12.1
8 その他のデメリット 6 9.1
9 無回答 3 4.5
合              計 66

 複数出店をメリットと考える複数加盟社は合計すると85件となり、デメリットと考える複数加盟社は33件であり、メリットを享受している複数加盟社の方が約2.6倍に達している。  1番のメリットは「店舗オペレーションな慣れ、生産性が高くなった」57.6%(38件)、次いで「家業から企業に進展した」36.4%(24件)、「信用力が増し、融資が受け易くなった」22.7%(15件)、「その他のメリット」12.1%(8件)の順になっている。
 一方、デメリットと答えたのは、1番が「費用が増え、経営効率が悪化する」16.7%(11件)、「オペレーションが煩雑になり、経営管理もむつ難しい」152%(10件)、「その他のデメリット」9.1%(6件)である。
 複数出店にメリットを感ずる複数加盟社が多数を占める中で、デメリットを感ずる複数加盟社もかなりの数に上ることも重要である。筆者の体験では、複数加盟経営に向く加盟社と、あまり向かない加盟社があるように感じている。
 次に、加盟本部に対する満足度(複数回答)を調査してみたら、次のような内容であった。「満足している」「概ね満足している」を合計すれば74.2%(49件)であり、「どちらかといえば不満」「不満である」」を合計すれば31.8%(21件)
であり、満足派(「満足」+「おおむね満足」)は7割以上を占めている。しかし不満派(「不満」+「やや不満」)が30%もあることは念頭に置く必要がある。


 次に、満足派に対して、満足している理由を尋ねてみたら、次のような結果 であった。


「本部として誠実である」が51.0%(25件)と最多であり、満足派企業49社の  「本部として誠実である」が51.0%(25件)と最多であり、満足派企業49社のうち、半数以上がこの理由を挙げている。次いで、「商品開発が優れている」32.7%(16件)、「自社店舗の業績が好調である」30.6%(15件),「販売促進が優れている」24.5%(12件)等売上面で効果が現れやすい支援項目およびその結果としての自社の業績に関する理由が続いている。
 一方、「情報システムが優れている」、「経営指導が優れている」「事業員募集支援システムが優れている」など、売上面で直接に効果が出にくい支援項目に関する理由は比較的下位に位置づけられている。
 第1位の「本部としての誠実さ」という回答は、ヒューマンビジネスと言われるFCの特徴を端的に現す言葉であり、代理店ビジネス、特約店ビジネスとは一味違った項目であるが、十分肯ける項目である。
 逆に不満派(「不満」+「やや不満」)に、その理由を聞いてみたら次のような回答であった。


 「経営指導(店訪頻度、指導の質)が不十分である」が52.4%(11件)と最多であり、不満足派21社の内、半数以上の企業がこの理由を挙げている。次いで、「本部としての誠意が感じられない」、「自社店舗の業績が悪い」、「商品開発が不十分である」が続いており、これ等は満足と表裏の関係になっている。
 満足の理由として上位に挙がらなかった「経営指導」が、不満足の理由としてトップに挙がっていることは本部としては注意しなければならない。即ち、経営指導に優れていることは加盟者にとっては当然のことであり、逆に経営指導が不十分であれば加盟者の満足度を低下させるものである。
 一方、「本部としての誠実さ」や「自社店舗の業績の好調さ」は加盟者満足の必要十分条件である。それらが十分であれば加盟者の満足度を高め、逆に不十分であれば満足度を低下させる要因であり、当然と言えば当然の結論である。

Ⅲ 法人・複数加盟社の会社数・店舗数の推定とメガフランチャイジーとの比較

1.法人・複数加盟社の会社数・店舗数の推定

 フランチャイズ統計で連続性のある統計は、(社)日本フランチャイズチェーン協会の「フランチャイズ統計」のみである。 そこで、今話題にしている法人・複数出店社数を推計したいと思うが、残念ながら公的統計は全くない。
 そこで「日本のフランチャイズチェーン2006」の冒頭論文「法人フランチャイジーによるFCビジネス革新の可能性」の中の「加盟店の店舗数を推定する」の内容を、最新のデータ(フランチャイズ統計2007年版)に基づいて再計算してみた。 計算方法は「日本のフランチャイズチェーン2006」に従った。

 ①加盟店の店舗数を推定する
a. CVS
 2007年度(社)日本フランチャイズチェーン協会の「フランチャイズ統計」(以下「統計」)では、CVSの店舗数は、総計で4万3,230店である。直営店と加盟店の比率は各社の数値から推算すると直営店5%,対加盟店95%と想定できる。
 大変大雑把な計算ではあるが、CVSの直営店は4万3,230店×5%=2,160店であり、加盟店は4万3,230店×95%=4万1,070店(端数省略、以下同じ)と推計できる。
b. CVS以外の小売業
 2007年度の統計では,CVS以外の小売業は4万2,110店である。直営・加盟を各50%と仮定して推算すると、直営店は4万2,110店×50%=2万1,050店、加盟店は 4万2,110店×50%=2万1,060店となる。
 従って、小売業の直営店はCVSと合算して2万3,120店となり、小売業の加盟店数は,CVSと合算して6万2,130店となる。
c. 飲食業
 2007年度の統計によれば、飲食業のフランチャイズ店舗数は5万5,470店である。直営30%,加盟店70%と仮定すると、直営店は5万5,470店×30%=1万6,640店、加盟店は5万5,470店×70%=3万8,830店と推計できる。
d. サービス業
 2007年度の統計によれば、サービス業のフランチャイズ店舗数は9万4,880店である。サービス業の直営店比率を10%,加盟店比率を90%と仮定すると、直営店は9万4,890店×10%=9,480店、加盟店は9万4,890店×90%=8万5,400店と推計できる。
e. 合計
 以上から、フランチャイズ業界の業態別の直営店と加盟店の店舗数は次ぎのように推計でき、フランチャイズ店の20.9%が直営店、79.1%が加盟店という比率が算出できる。

業態別の直営店と加盟店の店舗数

業   態 直営店(店) 加盟店(店)  合計(店)
CVS 2,160 4万1,070 4万3,230
CVS以外の小売業 2万1,050 2万1,060 4万2,110
飲食業 1万6,640 3万8,830 5万5,470
サービス業 9,480 8万5,400 9万4,880
合   計 4万9,330 18万6,360 23万5,690
構成比 20.9% 79.1% 100.0%

②独立行政法人経済研究所の委託調査

 独立行政法人経済研究所から(株)フランチャイズ・アドバンテージに委託した研究事業によるアンケート調査がある。(03年8月~9月に実施)。その調査によれば、次の通りである。

店舗別オーナーの割合(2002年度)

業 態 全業種 外食業 サービス業 小売業
1店舗オーナー 74.2% 62.5% 82.3% 81.5%

オーナーのタイプ別加盟店構成比(2002 年度)

1店舗のみを所有するオーナーにより所有されている店舗比率 複数出店者が所有する店舗比率
30.8% 69.2%

加盟店オーナー数が、この委託調査で明らかになった。全業種では、1店舗のみを所有するオーナーは全体の7割で、それ以外は複数出店者が所有する店舗である。
 この数字を店舗の所有者の観点から見直すと、1店舗のみを所有する加盟店が保有している店舗数は全体の3割であり、加盟店舗の7割程度は複数出店者が所有していることが判る。
③加盟店オーナー数と法人・複数加盟社数の仮説
 先に、直営店・加盟店の店舗数を推算したが、ここで更に加盟店オーナー数を推算してみる。独立行政法人経済研究所の委託調査の原票にはデータの記載があるのだろうが、公表されていないので、仮定で計算してみる。
 2007年度のフランチャイズ店舗数は23万5,690店舗である。この内、加盟店舗数は18万6,360店舗と推測した。
a. 1店舗のみのオーナーに所有されている店舗数は、30.8%である。従って1店舗のみのオーナー数(店舗数)は18万6,360店×0.308=5万7,4000人(店舗)となる。
 一方、複数加盟者の所有する店舗数は、18万6,360店×0.692.=12万8,960店となる。
b. 日本全国のオーナー数をXとすると、独立行政法人経済研究所が委託した上記の調査によれば、1店舗のみのオーナー数は74.2%であるから、日本全国のオーナー数Xは、 X x 0.742=5万7,400人であり、 X=5万7,400人÷0.742=7万7,360人となる。
c. まとめれば
 1店舗のみのオーナー数は、全国で5万7,400人(店舗)である。従って、複数加盟社(多店舗展開社)は 7万7,360人―5万7,400人=1万9,960人(社)となる。
 この1万9,960社が所有する店舗数は12万8,960店舗であり、多店舗出店社の平均店舗数は、 12万8,960店舗÷1万9,960社=6.46店舗となる。
 但し、ここで算出した多店舗出店社には、一番最初に述べた(法人・複数加盟社+メガフランチャイジー+サブフランチャイザー)の総数となり、我々が検討している法人・複数加盟社の総数ではない。メガフランチャイジーは200社、仮にサブフランチャイザーを500社と仮定すると(この仮定の根拠は全くなく、あくまでも仮説)、法人・複数加盟社は1万9,960社―200社―500社=1万9,260社(約1.9万社)となる。要するに、複数加盟社の96%が、我々が問題にしている法人・複数出店社である。では法人・複数加盟社の売上高は、どの程度だろうか。アンケートに答えた66社の平均売上高は5億28百万円、中央値3億5千万円であったので、1社当り売上高は5億円とする。法人・複数加盟社の総売上高は1万9,260社×5億円=9兆6,300万円となる。
 但し、この数字は仮説の上に仮説を重ねて、かつ年度の違う数字を使用しているため、あくまでも一つの叩き台を提供している程度の意味しか持たないと考えていることを再度お断りする。

2. 法人・複数加盟社とメガフランチャイジーとの比較

 英語で複数加盟社を表現する言葉はマルチユニットフランチャイジーであり、その中には日本のメガフランチャイジーも法人・複数加盟社も含まれる。但し、エリアフランチィザーは別途であり、明確に「エリア・フランチャイザー」と区分されるものである。
 ここでは、推計の域を出ないが、法人・複数加盟社とメガフランチャジーとの比較を行い、その規模感を理解してもらいたい。

比較内容
法人・複数加盟社
メガフランチャイジー
店舗数 2~15店舗程度 30店舗以上
売上高 1~15億円程度 20億円以上
会社数 約1.9万社(推定) 200社程度
総売上高 約9.6兆円(推定) 8,000億円程度
フランチャイズに占める市場シエアー 48%程度(推定) 4%程度
店舗経営の特徴 創業時の事業、若しくは自社開発ブランドの店舗を展開する等多彩である。 ほぼフランチャィジーに特化しており、創業時のビジネスから離れている場合が多い。
経営内容 優劣まちまちである。利益が少ない、売上高減少、本部の力の減少等問題も多い。店舗展開に意欲的な面もある。 株式公開している企業もあるが、反面経営破綻している事例もあり、優劣まちまちである。

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