フランチャイズ時評バックナンバー

黒川孝雄の美

「フランチャイズ・ショー2010」を振り返る

1. 内容充実・規模縮小のフランチャイズ・ショーであった

 2010年3月9日より11日まで、東京都江東区有明の東京国際展示場 「東京ビッグサイト」で第26回「フランチャイズ・ショー2010」(主催:日本経済新聞社、特別協力:日本フランチャイズチェーン協会)が開催された。
 今年のフランチャイズチェーン出展社はフードサービス業47社(前年比2社減)、小売業20社(前年比2社減)、サービス業46社(前年比5社減)、合計113社であり、前年比9社減であった。
 フランチャイズ本部の新規出展比率(今年初めて出展した本部の全体に対する比率)は46.9%であり、昨年の40.9%に比較すると6%増加であり、過去に1回も出展していない本部も増えた。筆者は、かねて「1年の単独出展は意味がない」と言い続けてきたが、複数回出展社が半数強となっており、今後の発展が期待される。
 更にビジネスパートナー募集17社(前年比2社減)、フランチャイズ支援ビジネス4社(前年比2社減)、フードサービス支援サービス社5社(前年比1社減)、フランチャイズ無料相談、情報、出版11社(前年同数)を合計すると 150社で、前年比14社減少であった。
 更に、細かくコマ数を見ると、2009年が321コマに対し2010年は270コマで、前年比84%であった。毎年20コマ等の大型出展が見られたが、今年は物語コーポレーションの10コマ、眼鏡販売のオンデーズ10コマの2社のみが大型出展であり、後は6コマ、4コマ、3コマ等であり、1コマ出展社が多かった。
 即ち、新規出展社が増加するも大コマの出展社が減少したため、通路がタップリ取れて、昨年までのせせこましい配置から、ゆっくり全体を廻ることが出来る配置となり、来場者にとっては非常にわかり易い全体像となった。
 今年の来場者数は29,676人であり、昨年の23,027人と比較すると129%となった。しかし、喜んでばかりいる訳にはいかない。お気づきになったと思うが、今年はJAPAN SHOP、リテールテックJAPAN等と再び共催となり、全体の来場者数が増加している。即ち、2008年、2009年がフランチャイズ・ショーの単独開催であったのに対して、今年は大型展示会と共催になったため、来場者数が増加するのは当然のことであった。
 そういう意味で過去10年中最大の入場者数を記録した2006年の34,384人に比較すれば、今年の入場者数は86%に過ぎない。08年秋のリーマンショックの影響はまだ、抜けきれていないと言えそうである。
 もう少し、丹念に入場者を調査してみると、今年は過去10年中堂々の第4位である。
      1位      2006年      34,384人
      2位      2007年      31,550人
      3位      2005年      30,282人
      4位      2010年      29,676人
 振り返れば、2005年、06年、07年は日本経済が過去最長の好況に沸いた時代であり、不況、不景気が叫ばれる昨今の日本経済の現状を見るならば、今年の「フランチャイズ・ショー2010」は大健闘の年であったと評価しても良いのではなかろうか。
 事実、1コマ出展の新規出展社に伺ったところ、「成果はあった。来年も出展したい」という前向きの回答であり、26回に亘りフランチャイズ・ショーのウオッチャーを努めた筆者としては、「内容充実の年」と位置付けたい。

2. フードサービス業

 出展社47社(うちフードコート5社)のうち、新規出展社は25社であり、新規出展社比率は53%であった。老舗の「ほっかほっか亭総本部」の出展は嬉しいニュースであったが、一方モスバーガー、小僧寿しが出展を見送ったのは寂しいものがある。やはり老舗の復活は話題になる。
 フードサービス業のラーメンは6社で昨年より1社減少している。またスイーツも(和洋併せ)今回フードサービス最多の10社出展であり、時代のニーズを現している。
 弁当、高齢者宅配弁当は5社であり、昨年の6社に比較すると1社減少である。カフェは2社で、前年比2社減である。
 フードサービス業は同じ顔ぶれが出ているように思われるが、永年勤続のB-Rサーティーワンアイスクリーム、ペッパーフードサービスが今年は姿を消した。いずれも当初の目的(1千店出店、株式公開等)を達成したからであろう。
 フードサービス業の中で一際目立ったのは、物語コーポレーションの10コマ出展で、昨年同様フードコートの前面という絶好の好立地であり、1日6回のセミナーは3日間ともすべて満席で埋め尽くし、セミナーの後、肉そば(ラーメン)、お好み焼、焼肉の3種類を試食させていた。この仕組みとセミナー内容は抜群であった。また満席にする仕組みも良く出来ており、セミナー開始前は30席程度を用意し、時間が近づいて満席になると奥から折り畳み椅子を持ち出し、50席を常時満席にする工夫は優れている。
勿論3業態(焼肉きんぐ、お好み焼本舗、丸源ラーメン)を、一つの会場で説明することは至難の技であり、規模の大きさも必要であるが、それよりも5年以上の歳月をかけて、毎年毎年セミナーの開催や試食提供のノウハウを構築してきた努力の成果である。フードサービス業の出展社に対する良い刺激となる。
 5年前にブームを呼んだライセンスビジネス(パッケージ販売のみで、継続的指導やメニュー開発は行わない擬似的FC)は、今年も1社の出展もなかった。今でも関西の一部にライセンスビジネスがあるけれども、所詮一時的ブームであり、大規模チェーンには発展し得ないことが歴史的に明らかになった。
むしろ、09年12月25日に東京高裁で判決の言渡しがあった「飲食業F社事件」(フランチャイズ市場レポート10年2月号参照)の「臨店指導を行うスーパーバイザーはフランチャイズにとって不可欠な要素」は、今後のフランチャイズ・ビジネスを展開する各社にとって極めて重要な判決となるであろう。

3. 小売業

 小売業は20社で昨年比2社減である。新規出展は9社で、新規出展比率は45%となっている。
 リサイクル、リユースは循環型ビジネスモデルであり、時代を反映して7社出展で、昨年より1社減少している。昨年4月15日に「日本リユース業協会」が、リユース業の社会的認知度向上を目的として結成された。一方で、同協会の目的は盗難品の持ち込みや査定の透明化が狙いであるとの見方もある。市場が更に拡大するためには、価格のみではなく、信用力のアップが条件であるとする意見もある。
 化粧品販売が3社であり、昨年の1社に比較すると3倍増である。
 また、コンビニはサークルKサンクス、九九プラスの2社出展であり、昨年が0であったのに比較すれば増加である。一昨年までは1社が継続的に出展していたが、昨年はそれも終わり、コンビニのフランチャイズ・ショーへの出展は終了かと思ったが、今年は予想が外れて2社出展となった。リクルート社のアントレフェアが休止しているため、フランチャイズ・ショーに出展したのではないかと推測したが、サークルKサンクス社の説明によれば、今年は法人加盟店を獲得して、複数出店を加速したいとの意向であった。
 複数出店を可能にするためには、制度の整備が必要であるが、サークルKサンクス社の資料によれば、SA2タイプ(投資額3,230万円)とSC2タイプ(投資額730万円)の2形態の契約タイプが出ていた。多分、法人加盟店の募集はSC2タイプと思われるが、ロイヤルティ率は売上総利益に対し、240万円未満が37%、240万以上340万未満分が57%、340万以上が62%で、かなり高率であり、かつ複数出店社に対するリベートが明記されていない。折角、法人加盟社の獲得目的で出展するならば、条件を整備し、複数出店社に魅力的なメニューにした方が効果的ではないかと思う。
 法人加盟社による複数出店は、コンビニではファミリーマートが02年に制度を作り、今年末には複数出店社の店舗数が1店舗出店者の店舗数追い越すと見られている。加速しているのは、am/pmのファミリーマートへの転換である。am/pmは想定以上に複数出店が多く、その意味でもファミリーマートへの合併は、両社に好都合であったと言えよう。ファミリーマートの複数出店社対策(ロイヤルティ、リベート)は、加盟店の意欲をそそるものがある。
 かねてCタイプの300万円程度の投資で済むコンビニの形態では、フランチャイズ・ショーには不向きかと思っていたが、複数出店社の確保が目的であれば、理解できる。
 小売業の永年勤続組のタックルベリーが姿を消したのは残念である。多分、長年の目的であった株式公開を果たして、次のステップへ移行する時期に当るのであろう。

4. サービス業
サービス業は46社で、昨年の51社に比較すると5社減であるが、一番時代の動きを反映する業種である。新規出展社は19社で、新規出展比率は41%であり、昨年の50%超と比較すると安定化傾向が読める。
今年最大の出展社数を誇る業種は学習塾、各種学校であり、実に17社(うち学習塾は14社)に登る。昨年比3社増加である。今年、学習塾が極端に増加した理由は、民主党の“子ども手当”が一つの理由と想像される。2月、3月の既存校の生徒数は減少していると伝えられているが、6月に第1回が支給されれば、夏季講習会の生徒数の増加が見込まれるのであろう。特に個別学習塾が増えているのは、生徒のニーズと料金の大衆化が寄与したものであり、大手既存学習塾も個別学習塾に新規参入してきている。
しかし、3月12日付の日経MJの伝えるところによれば、「学習塾倒産、過去5年で最多」と報じている。勿論、フランチャイズではなく、個別学習塾の話でもないが、「08年秋以降の景気低迷と少子化による競争激化で、集客力が乏しい小規模事業者の不振が浮き彫りになった」と報じている。また、同じ記事の中で「上場大手の09年度の第3四半期業績をみると、前年同期との比較が可能な7社のうち5社が減収だった。これまで聖域とされた教育費を見直す動きが広がっており、受講生数の減少に歯止めがかからない企業が多いという」と伝えている。
学習塾、予備校のマーケットが縮小する中で、個別学習塾のみが一人増大を続けることは考えられない。やはり、個別学習塾の中でも、他社と差別化した教育方法を確立し、生徒の成績を向上させる学習塾のみが生き残るのは、当然の理屈である。
学習塾に続いて多いのは介護関連(レンタル含む)で4社であり、昨年と同数である。一昨年が0であったことと比較すると格段の増加である。介護保険の人件費見直し、極端な人手不足の緩和などの影響であろう。介護マーケットは拡大する一方であり、今後もフランチャイズが拡大する分野であることは間違いない。デイサービスが多いのは、フランチャイズ化がし易いのであろう。メガフランチャイジーの介護ビジネスへの参入が話題になることも多い。
エステ・美容も4社であり、昨年の7社に比較すれば、3社減少である。美容・健康は人類永遠の願望であるが、それだけに競争も激しいのであろう。
4年前に全盛を極めた複合カフェは2社の出展で、昨年と同数である。しかし、1社は複合カフェと同じブースで介護事業(デイサービス)も展開していたので、実質は1社と見るべきであろう。
マーケットが縮小していること、投資額が1億円超と大きいこと、「ネットカフェ難民」等の風評被害があったこと等で、新規加盟店の募集が思うように進まなかったことが減少の理由であろう。既に、業界の再編、淘汰が進んでおり、勝ち組、負け組みが明らかになる1年であろう。
個別学習塾、エステ・美容、介護、複合カフェ等時代のニーズの変化が出展社の増減に現れ、フランチャイズ・ショーは時代の鏡の一面が見られる。

5. セミナー

フランチャイズ・ショーに併せて開催される各種セミナーも見逃せない重要なものである。今年セミナーはオープニングセミナー(無料)、フランチャイズ本部・新規ビジネス立上げセミナー3本(受講料1万円)、特別セミナー(無料)、フランチャイズ加盟者向けセミナー12本(無料)の4本立てであった。
オープニングセミナーは、日本フランチャイズチェーン協会土方会長の挨拶、筆者の「FC業界の最新動向」に始まり、ダスキンの伊東英幸会長の「ダスキンの経営理念―祈りの経営」に続いて、ストロベリーコーンズの宮下雅光社長による「わが社のITを活用した経営革新と経営戦略」と題する講演が行われた。
会場は事前の予約者で満席であったが、昨年のような立ち見客が出るほどではなかった。多分、主催者側で、立ち見客を防止する完全予約制を徹底したものと思われる。
フランチャイズ本部・新規ビジネス立上げセミナーの一つとして、筆者は「本部立上げの初期に取り組む加盟店開発」を3月11日午前10時より13時まで3時間のセミナーを行った。来場者(受講料1万円)は約40人で、例年より多く、最後まで聞いていただけた。来場者の中には、これから加盟店開発を新規に始めたいとする会社もあり、それなりにお役に立った模様である。
フランチャイズ加盟希望者向けセミナーは12本であり、無料参加のため、毎年満席の評判セミナーになっている。
特に、最後の3月11日15時半からの弁護士井嶋倫子氏による「加盟トラブルを回避するための法律知識」が好評であった。
内容は「1. FC契約書」で契約の締結に対する加盟希望者の注意事項全般に関する予備知識をまず理解してもらう所からスタートした。(2)フランチャイズ契約書の理解では②本部に対して支払う金銭③テリトリー権④開業準備⑤店舗運営・経営指導等トラブルが目立つ事項に対する注意点を述べた。
特徴は「2. 事例問題」として各種最新の判例を引用しながら判りやすく解説したことである。(1)加盟申込金(2)加盟金の返還(3)売上予測(4)適地紹介義務(5)本部による資材斡旋(6)契約終了後の競業避止義務を、初級者にも理解できるように話した。
「3. 本部に対するリスク評価」では(1)フランチャイズ・チェーンの法的リスク(2)FC本部の法的リスクチェックを解説した。
このセミナーの優れた点は、法律問題を素人でも判るように優しく解説し、渡されたレジュメは、1冊のパンフレットとして長く保管に値する内容であり、更に懇切なパワーポイントは受講者の理解を助けるものであった。
無料セミナーは年々良くなっている。このセミナーは今年初めて誕生したセミナーであるが、極めて優れた内容であった。加盟店希望者向けセミナーは中小企業診断士(含む弁護士、税理士)のフランチャイズ研究会が12本中11本を担当しているが、毎月の例会で新規にセミナーを担当する講師に対して、
先輩講師より厳しい指導が行われ、レジュメの内容、話し方、眼の向け方等についてアドバイスが行われる。レジュメの内容も年々豊富になり、レジュメだけでも立派なパンフレットとして活用できる。加盟店希望者は積極的に活用してもらいたい。

6. ガイドブック

昨年同様のフランチャイズ・ショー2010のための「ガイドブック」が作成され、入場の手続きと同時に1冊ずつ手渡された。今年は、会場の2つの入り口にこのガイドブック、セミナープログラム、会場案内図、フランチャイズ事業を始めるにあたって(中小企業庁編)等必要な書類がすべて揃えられており、切れないように随時継ぎ足しも行われ、主催者の心意気が十分感じられる準備であった。
ガイドブックは昨年詳細に説明したが、この1冊があれば、ショーのすべてが判る内容である。煩をいとわずに説明すれば、次の内容である。
まず、会場案内図、出展社一覧、各ブースの図面、出展社ワークショップ、セミナープログラム、フランチャイズ加盟希望者向けセミナー一覧が4,5,6,7ページに掲載されている。
8,9ページは「必見!会場でのチェックポイント」として次の6項目が説明してある。

  1. 気になるFCを5~6社選ぶ(星5つ)

  2. 各種セミナー、ワークショップは要チェック(星3つ)

  3. 本部への質問を絞り込む(星5つ)

  4. 目指すFCのブースをチェック(星5つ)

  5. 全般的に会場をチェック(星5つ)

  6. プロの意見を聞きだす~最後に寄りたい無料相談コーナー(星2つ)

  7. (ツーウェイコミュニケーションズ松本陽子氏企画・構成)

 10ページ以降の「FC早見表」は、使いやすい。まず、企業をフードサービス業、フードサービス(フードコート)、小売業、サービス業に分類し夫々の企業名の次にコマ番号、出展案内ページ、標準開業資金(500万円まで、1千万円まで、2千万円まで、3千万円まで、5千万円まで、1億円まで、1億円超の7つに区分)、募集中の加盟者は、法人、個人、法人及び個人に分類している。来場者には一番判りやすいパンフレットであり、親切である。
 15ページ以降には出展社紹介が示されている。但し、業種別ではなく、アイウエオ順に社名が並んでいるので、要注意である。
 24ページ以降は加盟店オーナー座談会で、松本陽子氏がコーディネーターを努めている。
 31ページ以降は「加盟店が語る!FCの魅力と成功のツボ」で、フードサービス業、小売業、サービス業の10名の加盟者の談話で構成されている。経営実績表も金額入りで紹介されており、出所を明確にしている点に好感が持てる。

7.加盟希望者を集める極意

参加企業から必ず聞かれる質問は、「出展しても加盟希望者がブースに立ち寄ってくれない。どうすれば加盟希望者を集めることが出来るか?」という質問である。確かに多数の加盟希望者を集めているブースもあれば、閑散としているブースもある。
一般的には、大きなブース(最低でも3コマ)を利用する、1時間に1回程度の割りでセミナーを開催する、食べ物を提供する等が集客の手法である。しかし試食の提供は殆ど加盟店確保にはつながらない。単に、ブースを賑わす力はあるが、それが加盟候補者確保につながることは、全く無いと言っても言いすぎではない。但し、フードコートへの出展は意味がある。フードコートで試食して、美味しかったので加盟したという実話は複数の加盟者から聞いたことがある。
要するに、加盟候補者をブースに沢山集めるノウハウは既存の経験では無いというのが、筆者の持論であり、出展の回数を重ねて、集客のノウハウを各社ごとに作り出す以外に方法は無く、一般論は存在しないということである。
しかし、今回のフランチャイズ・ショーに3日間参加して、最後に集客の極意とも言うべき場面に出くわしたので、紹介しておきたい。
最終日の3月11日(木)の午後5時以降に筆者が常駐した中小企業診断協会フランチャイズ研究会のブースの撤去を終わり、17時半過ぎに最後に会場を一回りして帰ろうとした。途中で、大勢(約20人)のスタッフが椅子に座って終礼をしている光景を見た。既に、業者が解体に掛かっている最中の終礼であった。司会の挨拶で終わるのかと興味を持って眺めていたら、司会者、責任者の挨拶のみでなく、エリアマネージャー、店舗スタッフ、パート・アルバイト全員が一言ずつ、今回のショーに参加して得たものと、来年の取り組みに対する決意を述べていたのである。
「開発担当者の仕事の大変なことが理解できた。」
「お店でラーメンを買っていただくお客様と、1億円のパッケージを買うお客様とはまるで違うお客様だ」 
「今日がショーの終わりではない。来年の3月に向けて、今日がスタートの日である。今回のショーで多くのものを学んだが、これを来年以降のショー参加に生かしていきたい」
「直営店で働いているとフランチャイズとは何かが判らない。昨年、今年と2年続けて店舗スタッフとして働いて、フランチャイズとは何かが判ってきた」
「これまで、これほど沢山の肉そばを作ったことは無かった。今の体調は5月の連休の後のようにクタクタである。しかし楽しい体験であり、来年も是非参加したい」
お読みいただいて判る通り、これは物語コーポレーションが行っていた終礼の一部である。ここに成功のノウハウが詰まっている。
まず、店舗スタッフが焼肉きんぐ、お好み焼本舗、丸源ラーメンの各店から集められ、早朝5時から準備に入り、セミナーの始まる10時には完全に準備が完了し、3つのメニューが同時に提供できる用意が出来ていたのである。
通常、店舗スタッフは、このような催事にはいやいや参加するケースが多いが、物語では、フランチャイズ・ショーが会社発展の基礎であることがしっかり教え込まれているのである。
店舗スタッフやエリアマネージャー(直営担当)は、通常フランチャイズを理解しないまま、日常業務をこなし、直営部門とフランチャイズ部門はまるで別会社のような会社が多い。経営層の大きな悩みは、直営部門に「どうすればフランチャイズを理解させることが出来るか」である。物語は店舗スタッフのショーへの参加、ショーに来場される加盟店候補者と接することにより、フランチャイズの何であるかを体感して帰すのである。
しかも、今年のショーが終わったのではなく、来年に向けて新しい取り組みを始める日であると店舗スタッフが位置づけている。これは経営層が教え込むのではなく、店舗スタッフが3日間の経験から学んだものである。
筆者はかねて、「加盟店開発講座」で「全社一丸体制」を作ることが絶対必要であることを強調してきたが、将に全社一丸体制が眼の前で実行されている様を見て、改めて加盟店開発の成功要因を確認した。
フードサービス業の所で、物語コーポレーションの集客の模様を述べたたが、その成功の真の原因は、この終礼の意図せざる決意表明にあったのであろう。

8.  「フランチャイズ・ショー 2010」は充実していた

フランチャイズ・ショー2010は極めて充実した内容であった。筆者は昨年の「フランチャイズ・ショー2009を振り返る」の最後に、主催者に対して「日本で唯一のフランチャイズ・ショーになるかもしれないので、来年に向けて参加社にも来場者にも満足してもらえる工夫を一段と凝らして頂きたい」と要望した。
昨年のフランチャイズ・ショー2009は予想通り、日本で唯一のフランチャイズ・ショーになった模様である。
今年の「フランチャイズ・ショー2010」は、筆者の期待を裏切らない内容充実したショーになった。具体的に列記したい。

  1. 出展コマ数が、昨年比80%台に下がったため、通路幅が広くなり、全体の見通しが良くなり、来場者の循環が良くなった。

  2. 主催者の気配りが、配布書類の充実、書類配布の方法、セミナーの過剰入場者制限等が工夫され、来場者も出展社も満足できる環境となった。

  3. 来場者数は、過去10年中4位の多さであり、イベントとしても成功した。

  4. 相談数も過去最多であり、加盟店希望者もFC本部立上げ相談も真剣な内容が多く、これだけでも充実したショーであったことが判る。特に加盟店希望者の真剣さは昨年を上回るものがあった。やはり無料相談、なかんずく公正中立を旨とする中小企業診断士FC研究会のコマでは、それを痛切に感じた。

  5. セミナー参加者は、無料セミナーではほぼ全部満席となり、かつ立ち見客は入れない打ち止めをおこなったため、受講者は満足して帰られたと思う。

  6. 各社の顧客の反響も良く、来年も出展したいとする出展社の声が多数あった。

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